Q.どうしても自分に自信を持てません。
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北海道大学大学院 教育学研究院 講師。博士(人間科学:大阪大学) 専門は教育心理学。学習動機づけや思考、心理的適応について学級環境や親子関係の側面から研究しています。著作に『Parental perception matters: Reciprocal relations between adolescents’ depressive symptoms and parental perceptions. 』Journal of Counseling Psychology.『Beyond intelligence: A meta-analytic review of the relationship among metacognition, intelligence, and academic performance.』Metacognition and Learning.『学校現場で役立つ教育心理学: 教師をめざす人のために(第10章 動機づけ:動機づけ研究の教育実践への応用 を執筆)』北大路書房など。
ここでのあなたの自信を”勉強の自信”と捉えてお話しします。教育心理学において“小さな池の大きな魚効果”というものがあります。これは、レベルの高い集団に属していると自分のレベルが低いと感じてしまう現象のことで、あなたも今このような状況にありますよね。人間というのは自分の外に目が向いている状態、つまり誰かと比べてしまうようにできています。そのため、そもそも誰かと比べてしまうというのは、ある程度は仕方ないのです。
熟達目標を持ち、絶対的に自分を見てみよう
この状況から抜け出すには、熟達目標を持ち、絶対的に自分を見てみるといいですよ。つまり、誰かと比べた時に“その人たちに勝ちたい”“負けるのが嫌だ“ということを追求するのではなく、意識的に自分の内側に焦点を当ててみるということです。一方で、誰かと比較して立てる目標を遂行目標といいます。遂行目標が悪いと一概には言えませんが、熟達目標を持つ方が精神的に楽になりますよ。順位の変動などで一喜一憂することがない分、自分のポテンシャルをフルに発揮することができ、結果的に成績が伸びると考えられています。
自分の内側に注目してみるのも一つの方法
また、意識的に自分の内側に焦点を当ててみましょう。つまり、誰かと比べたときの有能さを求めるのではなく、“自分が学んだ内容をきちんと理解できているのか”に注目してみる、ということです。例えば、ある単元の学習が終わった際に、その単元の内容について説明できるかチェックしてみてください。兄弟や家族に説明してみるのもいいですし、友達と一緒に勉強しながら説明してみるのもいいですね。