Q.お腹が張ってしまい、ガスが出ないか緊張して授業に集中できません。
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慶應義塾大学医学部内科学教室(消化器) 専任講師。 滋賀県出身、医学博士。慶應義塾大学医学部卒業。平塚市民病院、都立大塚病院、国立病院機構東京医療センターで臨床業務に携わった後、ベルギー・ルーヴェン大学で機能性胃腸疾患で研究活動に従事した後、現職。専門は機能性胃腸疾患、ピロリ菌、好酸球性食道炎・胃腸炎など。
お腹がガスで張ってしまうという悩みを抱える人は多いと思います。この症状を解決するために重要なのが、食事の見直しです。食品にも、お腹の中のガスを出しやすい食品、出しにくい食品があります。その中でも、ガスを出しにくいお米やじゃがいもなどの食品は「低FODMAP食」と呼ばれています。一方、消化しにくい糖が多い食品はFODMAP食と呼ばれており、腸内細菌に分解されてガスを産生しやすいのです。つまり、「低FODMAP食」なら、お腹の中にガスが溜まりにくくなります。これを機に、普段摂っている食事が高FODMAP食になっていないか、今一度振り返ると良いと思います。
水に溶けやすい食物繊維がポイント
また、便秘が原因でガスが出やすくなってしまう人も少なくありません。そのような人は食物繊維の摂り方に気をつけてみてください。食物繊維には、ごぼうやキャベツなどの水に溶けにくい食物繊維と、わかめや納豆などの水に溶けやすい食物繊維の二種類があります。通常はどちらの食物繊維を摂取しても問題ないのですが、お腹に不調を抱える人が水に溶けにくい食物繊維を摂りすぎると、お腹の張りや不快感、ガスの発生にも繋がる可能性が高いです。便秘に効くからといって食物繊維ばかりを摂っても、ガスが溜まりやすくなることもあるため、そのバランスが重要になります。いろいろ試しながら、自分自身に何が合うのかを見つけてみてください。
あなたの性格も関係しているかも!脳と腸は繋がっている
ガスによるお腹の張りが気になる原因には、繊細な性格も関係していると考えられます。実は、脳と腸は「脳腸相関」と呼ばれるほどに親和性が高く、影響力も大きいのです。そのため、必要以上に他の人のことを気にしてしまう人は、よりお腹の症状も気になりやすい傾向にあります。このような性格による影響を根本的に解決することは難しいですが、原因を把握するだけでも、少し気持ちに変化があるかもしれません。もちろん、性格が原因の全てということではなく、腸内環境の個人差の影響が大きいのですが、自分の傾向を把握しておくことも大切だと思いますよ。