Q.生理前にイライラしたり、泣きたくなったりするのですがPMSなのでしょうか。この場合病院に行くべきですか?
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京都大学医学部卒業、東京大学大学院にて医学博士号を取得、双子含む四児の母。産婦人科診療の傍ら、子宮頸がん予防や性教育、女性のヘルスケアなど生きていく上で必要な知識や正確な医療情報を、メディア、企業研修、書籍、SNSなどを通して発信している。婦人科受診のハードルを下げるため2024年7月渋谷にInaba Clinic開院。
これはPMS(月経前症候群)の可能性が高いです。PMSは自分でコントロールできるものではないので、婦人科で相談することをおススメします。よく、PMSは自律神経の乱れが原因だとか、セルフケアで自己解決できるとか言われることがあります。しかし、それらは実は医学的根拠がなく、事実ではないんです。
PMSの原因は、生理周期の中でのエストロゲンとプロゲステロンという2種類の女性ホルモンが乱高下することです。根本的に解決するには、婦人科で処方される医療用ピルなどでホルモンバランスを調整してあげることが必要となってきます。
婦人科に行ったら、楽になるかも?
私は「虫歯になったら歯医者に行く」のと同じぐらい、「生理痛がきたら婦人科に行く」ことが当たり前になってほしいなと思って2024年にInaba Clinic(東急プラザ渋谷内)を開院しました。生理前のつらさや不安は、あなたのメンタルが弱いせいではありません。ホルモンのしわざです。1ミリも我慢しなくていいんです。婦人科を受診することはなにも恥ずかしいことではありません。
小中高校生の生理痛やPMSによる受診で、いきなり内診をしたりすることはありません。自分1人で何とかしようと頑張りすぎず、「婦人科に行ってみたら楽になるかもしれない」ということを心に留めておいてください。
身近な人に相談してみよう
とはいえ、やはり病院に行くということ自体に抵抗がある人もいると思います。そういう時は、信頼できる人に相談してみることも大切だと思います。誰かに相談することで楽になることもありますからね。ただし、相談しても症状は改善しないので、相談された方は、「婦人科に行くといいんじゃない?」といったふうにアドバイスしてあげると素敵です。実際、当院でも、友達に相談したら受診を勧められたという理由で通院を始めるケースはよくあります。こういったポジティブなサイクルは是非広まってほしいですね。