Q.自分にはどんなことが向いているのかわからない
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バリトン歌手。藤原歌劇団、ジャパン・アーツに所属。 慶應義塾大学法学部政治学科卒業。味の素株式会社に3年間勤務の後、1991年ミラノ・ヴェルディ音楽院へ留学。トゥールーズ国際声楽コンクールで、日本人男声として33年ぶりに優勝。1994年ヴェネツィア・フェニーチェ座の「ボエーム」でデビュー後、ヨーロッパを中心に活動。日本では1997年藤原歌劇団の「椿姫」でデビュー。同年、ジロー・オペラ賞を受賞。2012年より武蔵野音楽大学教授として学生や社会人の声楽を担当している。
高校生の段階で将来を考えた時に、自分に向いていること、得意なことが見つかっている人は非常に稀な人でとてもラッキーな人と思います。何も焦る必要はありません。私も当時はオペラに興味を持ち始めた頃でした。多くの場所に行き、様々な経験を自分から求め、興味・関心を伸ばしていってください。
その際に考えて欲しいのは、自分がそのことに主体的に関わっている姿を想像することです。例えば、コンサートを見るのが好きで終わらせるのではなくて、自分が演奏する、プランナーとしてコンサートの企画・運営に携わる、スタッフとして裏方から舞台を支えるなど、立場を変えて考えてみます。このようにして見方を変えることで、自分の興味のあることが進路を決定していくうえでの大きなヒントになってくれますよ。
挑戦するという意気込みを
検索すればほとんどのことが分かってしまう時代ですが、その検索結果をみて、君はやってみてもいないのに「どうせうまくいかないだろう」と決めつけていませんか。私の場合は、脱サラしてオペラ歌手としてイタリアでやっていけるのかと周りの大人にたくさん相談し、「そんなの無理」と否定されまくりました。
未来のことなんて誰にもわからないはずですよね? 自分のやりたいことで生きていくのは簡単ではないことは事実です。最初からすべてが上手くいくわけではありませんし、失敗を重ねてわかることも多くあります。つまり、長い期間、挑戦し続けるという覚悟を決め、根気よく取り組むことが大切ではないでしょうか。 何よりも、君の人生を生きるのは君自身です。だからこそやりたいことが見つかったのなら、ぜひその道で勝負してみてほしいですね。必ず上手くいくという保証はありませんが、チャレンジしなければ、その先につながらないことだけは明らかです。
たくさんの失敗を経験しながら、夢に向かって挑戦してみてください。