Q.生活を朝方にしたい。
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1960年東京生まれ。筑波大学医学専門学群・大学院医学研究科博士課程修了。31歳で渡米し、テキサス大学サウスウェスタン医学センター教授とハワードヒューズ医学研究所研究員を2014年まで24年にわたって併任。2010年に内閣府最先端研究開発支援プログラム(FIRST)に採択されたことを受けて、母校である筑波大学に研究室を開設。2012年より文部科学省世界トップレベル研究拠点プログラム 国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-IIIS)機構長・教授、現在に至る。米国科学アカデミー正会員。 米国睡眠学会Outstanding Scientific Achievement Award(2006年)、日本心血管内分泌代謝学会高峰譲吉賞(2013年)、米国生理学会 The Walter B. Cannon記念賞(2015年)、紫綬褒章(2016年)など受賞多数。趣味はフルート演奏。
自分にあった睡眠のタイミングを探そう
日本では、生活習慣の観点から早寝早起きが推奨されがちです。しかし、睡眠に関する研究では、中高生の体内時計は、小学生や大人と比べて後ろにずれているということがわかってきています。つまり、身体のリズムの関係で中高生は朝が起きづらい傾向にあるということです。また、睡眠は体質による個人差もあるため習慣づけに努めても朝型になることが難しい場合があります。
まずは、就寝環境の改善や習慣づけを通じて朝型への移行を試してみてください。それで移行が難しい場合も無理をしないでください。個人差があることですので、自分のリズムを見つけてそれを守ることが重要です。
もし、移行が難しければ適度に夜のうちに頑張るほうが良いと考えられます。しかし、夜もあまり遅くまで起きるのもよくないです。中高生の脳が必要とする睡眠時間は7~9時間(平均8時間)程度です。年齢的に夜に頑張るのがいいですが、適切な睡眠時間を確保することが最重要です。
睡眠時間を削るよりは、30分でも長く眠るほうが、翌日の集中力の向上に繋がり、学習効率もあがります。しっかり睡眠時間を確保しましょう!
短めの仮眠をとるのが効果的です
夜の睡眠時間をどうしても十分に確保できない場合は、昼に仮眠をとることをおすすめします。
仮眠は深い睡眠に入らないように15分から20分程度が望ましいです。深い睡眠に入った状態で起こされるとすっきりせず頭も回らないので、仮眠は短い時間に留めましょう。程よい仮眠時間には個人差があるので、短い時間でも深い睡眠に入ってしまう人もいるかもしれません。実際に試してみて、すっきりと起きられる時間を自分で探してみてください。
仮眠をとる時間帯としては、夜の睡眠への影響を考慮して夕方以降を避け、日中の早い時間帯をおすすめします。部活動や塾などで早い時間帯に仮眠がとれない人もいるでしょう。その場合は夕食の後などではなく、帰ってきてからできるだけ早めに仮眠をとるようにしましょう。
大切なことは自分の身体のリズムに合わせて可能な限り必要な睡眠時間を確保することです。皆さんの脳はまだ発達段階にありますので、睡眠時間の確保が必須です。適切な睡眠時間をとることで勉強でも部活動でもより集中できるようになるので、睡眠時間を削らないことがベストです。