Q.ポジティブになれません
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北海道大学大学院文学研究科博士課程退学。札幌医科大学助手、山形大学教養部専任講師、助教授、北星学園大学文学部教授、大阪大学大学院人間科学研究科教授、2012年同大学名誉教授、東京未来大学学長を経て2018年度より現職。「しぐさのコミュニケーション」(サイエンス社)、「幸福を目指す対人社会心理学」(ナカニシヤ出版)等。
たしかに世の中自分の思い通りにいくことは多くないですよね。必死に勉強したとしても試験でいい成績を得られるとは限らないですし、まっとうに努力したとしても、憧れの先輩に気に入られる保障はないかも知れません。こう考えると、失敗しないように、これ以上自分が傷つかないように、身構えてしまうのは止むを得ないようにも思えます。でも、マイナス方向で考えることが多いとさらにマイナスな考えに陥り、抜け出せなくなってしまうことも多くなってしまいます。
日頃、不安な気持ち、辛い気持ちが基本になっていると楽しい、嬉しいという気持ちにはなかなかなれないはずです。周りの人の笑顔まで疎ましく思えてしまいます。慎重に身構えてしまうと、大きな失敗や不幸に見舞われることはないでしょうが、日々の生活の満足感は大きくなりません。これでは、せっかくの人生で損をしてしまいます。誰であろうと自分こそ大事であり、価値あるものと思いたいはずです。では、どうすればいいでしょうか? それは、決して難しくはありません。
マイナス思考とプラス思考は紙一重!
あなたがマイナス思考だと思っていることは、実は他の人にはまねできない慎重な判断ができることに他なりません。物事を慎重に考えることには大きなメリットがあります。
人は得てして先をよく考えずに行動していますが、あなたは先を見通そうとする。現実にはいくつもの要因が影響して物事が生じるのに多くの人は単純に考えてしまい、後で後悔するものです。しかしあなたは、あれこれと吟味して、後々発生する後悔を避けられていると思います。ただ、あなたはネガティブな「結果」だけに注目してしまっているのです。
これまでの経験を振り返ってみてください。先に生じる「嫌な」ことだけを予想しているように思えるかもしれません。しかし、「あのように慎重になっていたお陰で、もっと大きなマイナスの結果を避けられた」という経験が必ずあるはずです。同じ出来事であれ、そのどこに注目するのかによって解釈は異なってきます。マイナスだと思っていた経験には「悪い結果を避けられた」というプラスな面が混じっていたはずです。そうなると、自分はマイナス思考であるいうと考えも変わってくると思います。そして、視点の持ち方一つでマイナスはプラスになることにも気づくはずです。
さらに、人が持っている特徴というものは、絶対的なものではなく、社会的な場面、出会う人々との関係で変わるものです。様々な交友関係を持つことで、自分の考え方を変えてくれる人に出会えるかもしれませんよ。