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公開日 : 2019/02/20

Q.勉強中にイライラして髪を抜いてしまいます

勉強中に髪をさわって抜いてしまうくせがあります。髪を抜いてはいけないと分かっているのですが、勉強中イライラした時に髪を抜いてしまいます。どうか抜かない対処法はありませんか? (高2女子)
自分自身の変化を正しく認識し、1つ1つ対処しよう

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一般社団法人 認知行動療法研修開発センター 理事長
おおの ゆたか
大野 裕 先生

慶應義塾大学医学部卒業、同大学の精神神経学教室に入室。独立行政法人国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センター顧問。現在、一般社団法人認知行動療法研修開発センター理事長、ストレスマネジメントネットワーク(株)代表。日本経済新聞にてコラム「こころの健康学」を連載中。著書に『こころが晴れるノート』(創元社)、『はじめての認知療法』(講談社現代新書)など多数。



気持ちの変化を把握しましょう  


 あなたの場合、「勉強中」に「髪の毛を抜いてしまう」ということが把握できていて立派だと思います。勉強中で髪が抜いてしまう直前には、心や体に何かしらの変化があると思います。例えば、集中力が切れること、上手く問題が解けずに投げやりな気持ちになること、胃が痛くなることなどです。まずは、髪を抜いてしまう直前に自分がどのような気持ちになり、体にどのような変化が起きているのか、具体的に把握するところから始めましょう。


  勉強中に変化に気づいたら、その行動自体を中断してください。そのまま続けると、いつも通り髪を抜いてしまいます。行動を中断したら、しばらく好きなことをしてみましょう。テレビを見てもいいし、運動してもかまいません。時間を決めて、ストレスの原因となる行動から心と体を切り離しましょう。  


 次は勉強の過程を細かく分け、どのようなときにいらいらしてしまうのかを考えてみてください。自分の変化の把握し、気づいたら中断するということを繰り返していけば、髪の毛を抜いてしまう癖も直ると思います 。



不安は過大評価しすぎずに


 学生さんの中には、試験中におなかが痛くなってしまう人や、勉強中に髪の毛を抜いてしまうこと人がたくさんいます。そのような行動が起きるときは「次のテストに失敗したらどうしよう」などのような、何かしらの不安が原因となっている場合が多いです。


  そもそも人間には物事をマイナスにとらえる思考パターンが備わっています。これは様々な危険から身を守るための重要な心の働きです。心配するという機能が無かったら身に危険が生じますし、テストへの不安がなかったら勉強だってしないと思います。ですので、不安を感じてしまうこと自体は問題ではありません。  


 しかし、ときに人は危険を過大評価し、行動できなくなってしまうことがあります。そのうえ、自分の能力や周りの人の助けは過小評価しがちです。テストでの失敗も、長い目で見れば取り返しのつかないものではありません。失敗は怖いけど、それですべて終わりではありません。やり直しは効きます。ですから、目の前の失敗が全てに思えてしまい、先に進めなくなってしまわないようにしてください。


  不安に思っていることが、本当はどれだけ危険なことなのかを正しく把握し、簡単なことから少しずつ対処していきましょう。小さな成功は次の挑戦への意欲となり、次の成功へとつながります。一歩一歩進んでいくことで自信もつき、気づいたら悪い癖も直っていると思います。諦めずに頑張ってください。



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