Q.自分に自信がなく魅力のある人間になりたい
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慶應義塾大学文学部卒業、同大学大学院社会学研究科博士課程修了後、慶應義塾大学文学部助教授を経て現在に至る。教育学博士。専門は行動遺伝学、教育心理学。特に認知能力とパーソナリティの発達に及ぼす遺伝と環境(主に教育環境)の影響に関して、双生児法による研究を行っている。
まずは何に自信がないのかを明確にしてみる
まずはご自身が、どのようなことを気にしているのか整理するのが重要だと思います。例えば、マラソン大会での順位が振るわなかった時、陸上部の長距離選手であれば落ち込むのでしょうが、マラソンのことをどうでもいいと思っている人は、そこまで気にしないでしょう。人は、自分自身が重要であると思っていることがうまくいかなかったり、他の人より劣っていると感じた時に、特に悩みやすいという傾向があります。自分が何に自信がなく、何を問題視しているのかを整理することが、悩みを解消する第一歩となると思います。この整理をするだけで、気分がいくらか改善することもあります。
自分で変えられるところを見つけてみる
次に、自信がないことのそれぞれが、自分自身の力で何とかできるものであるのか整理します。例えば、テストで点数を取れず、勉強に自信がない場合、テストで点数を取れるようになれば自信がつくと思います。もちろん簡単なことではないでしょうが、勉強する時間を増やしたり、勉強の仕方を工夫することで、テストの点数を上げることは可能でしょう。部活動にも似たようなところがあります。友人関係のあり方なども、変えることができないわけではないと思います。自分の力で何とかできることであれば、それを変えるべく努力してみることができます。他の人の力を借りることもできるかもしれません。もちろん、あまりにも高い目標を立てると、そこに到達できないことが増えますので、ほどほどの目標をたてることが必要となりますが。
しかし、悩みの中には、どうしようもないことがあります。例えば、自分の身長を変えようとしても、現在の医学ではどうにもならない部分が大きいのではないかと思います。どうにもならないことを何とかしようとしても、自信をつけることには繋がらないでしょう。どうにもならないことについては、諦めることが肝心です。
誰かに相談してみよう
また、身近に信頼をできる人がいましたら、その人に悩んでいることを打ち明け、話を聞いてもらうのも良いと思います。自分の悩みを他の人に聞いてもらうだけで、気分が改善することが多いことが心理学の研究で示唆されています。なお、何事に対しても自信を持っている人はいるのでしょうが、そのような人は少数派で、ほとんどの人は、何らかのことで自信がないものです。信頼できる人に悩み相談を持ち掛けてみると、他の人にも自信がなく、気にしていることがあるのが分かるでしょう。自信がないことについて悩むのは、そこまで珍しいことではないのです。
医療機関や心理相談室などに勤める心理士も、あなたの話を丁寧に聞き、悩みを解決するための方法について一緒に考えてくれることでしょう。悩みがなかなか解決しないようでしたら、一度それらの機関を訪ねてみることをお薦めします。