Q.将来について不安があります。どうしたらいいでしょうか。
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1962年生まれ、東京都立大学大学院博士課程中退。 北海道大学、淑徳大学、東京都立大学、首都大学東京の教員を経て現在慶應義塾大学文学部教授。 専門は計量社会学、家族社会学。 貧困・低所得の問題などについて、統計学的な方法を用いて研究している。
まじめに将来を考えれば当然不安なこともでてきます。けれども、そうした不安を感じているのはあなただけではありません。
不安を解消するには、自分で不安の原因となっている問題に対処するか、不安になっていること自体が大したことではないと思うか、どちらかしかありません。
ほかの人の「将来」について聞いてみよう
まず、自分の周りの人たちが将来についてどのように考えているのか、話をしてみるのがよいと思います。何も考えていない人もいるでしょうが、将来について悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
私は高校生のころは、大学で何を専攻すべきなのか、でずいぶん迷いましたが、そんなことで悩んでいる友人はあまりいなかったように思います。結局、周囲はあまり勧めませんでしたが、文学部に進んで歴史学の勉強をすることを決めました。不安は大きかったですが、それを解消するために大学ではいろいろ自分で勉強をし、その後大学院に進みました。
大学院でも研究者としてやっていけるのか、という大きな不安と戦わねばなりませんでした。大学院ではほとんど友人ができませんでしたが、数少ない友人はほぼ全員、私と同様に将来への不安を抱えていました。そうした不安を聞くことで、ああ自分だけではないんだ、みんなも同じなんだと救われた部分があります。
同じように不安を抱えている人の話を聞くことができれば、心理的にはだいぶ楽になるよう思います。
身近なカウンセラーに相談してみよう
誰でも自分の将来には大なり小なり不安がありますが、それによって何もできなくなってしまうとすれば、それは単なる一時的な将来への不安という問題ではない可能性があります。
その場合には、まずは高校や予備校などに配置されているカウンセラーの人に相談してみましょう。場合によってはうつなどを発症している可能性もあります。うつは、心がけや気持ちの持ち方で解決できるものではなく、重篤な場合には薬などを用いて症状を押さえる必要があります。放置しておくと、深刻化するケースもあるので、怪しいなと思ったらまずは相談することが大切です。