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公開日 : 2020/11/28

Q.テストのたびに腹痛に襲われて集中できません。

テストの日は朝から腹痛に襲われて、テストに集中できません。薬も効かないので、何かいい方法はないですか? (高3男子)
考えすぎず、相談しよう

この方が回答してくださいました!

東海大学医学部内科学系消化器内科学 領域主任教授
すずき ひでかず
鈴木 秀和 先生

1989年慶應義塾大学医学部卒業、慶應義塾大学医学部教授(医学教育統轄センター)、専修医研修センター長を経て、2019年、東海大学医学部教授、同附属病院臨床研修部長。現在、日本専門医機構運営委員、Rome委員会委員、全米消化器病学会(AGA)国際委員、日本微小循環学会理事長、日本神経消化器病学会理事、日本ヘリコバクター学会理事、日本がん予防学会理事、日本潰瘍学会理事等を兼任し、東海大学病院にて個々人の症状に応じた消化器診療を展開している。



自己流の薬に頼らず、医師に相談してみよう 


 薬に頼らず、医師に相談することをお勧めします。市販の痛み止めや便秘薬は、ほとんどが一時的なものであり、腹痛の原因そのものを治すものではありません。市販薬の多くは大腸を刺激する薬であり、服用を繰り返していると腸が刺激に慣れてしまい、薬が効かなくなってきてしまったり、そのために薬を大量に飲むことに繋がったりと、悪循環に陥ってしまう可能性があります。


 また、腹痛とは言っても原因は様々なところにあります。緊張からくるストレスに敏感になっていることだけが原因ではなく、それ以外に、ピロリ菌がいたり、機能性ディスペプシアという胃の病気を合併していたり、胃潰瘍や十二指腸潰瘍ができているといったことも考えられます。もしこれらが原因であれば、治療により比較的迅速に改善されることもあります。  


 腹痛の原因は人それぞれ異なるので、専門家に相談し、自分に合った治療法を見つけましょう。  



腹痛に襲われる原因を考えよう 


 テストがある日にだけおなかが痛くなる、ということはテストのために体が過敏になっている、ということです。腹痛はその表現型として症状に表れてきたものともいえます。普段からそのようになると分かっているなら、テストに対する自分の気持ちの持っていき方や、それに伴いコンディションの整え方を習得すること(ストレスコントロール)で、腹痛が軽くなると思います。  


 日本の高校生には、つい、偏差値というものに縛られてしまい、「テストでいい点数を取らないとだめ」や、「この大学に進学しないとだめ」みたいに思ってしまい、必要以上にストレスを抱えてしまう人が多くいます。しかし本当に目指すべきところは人によって様々ですし、必ずしも少しでも偏差値の高い学校へ行くことが幸せとは限りません。


  テストをそこまで重いものとは考えないで、他人と勝負するのではなく、自分の勉強の成果を発揮する場、と考えると、テストへの緊張も少なくなるのではないでしょうか。 



 生活スタイルを見直そう


 生活リズムを整えることで消化管の動きが良くなり、腹痛が改善することもあります。食生活を変えたり、睡眠不足を解消したりしてみましょう。また、受験生に多いのが運動不足です。例えば、塾への行き帰りを歩いてみたり、ストレッチやヨガなどをしたりするのも、運動不足を解消する方法の1つです。


 受験で最後に満足のいく成果を得るにためには、勉強だけでなく、しっかりと自分の体調を管理することも重要です。もちろん受験勉強を早いうちから始めるのは大切ですが、それと同時に、ストレスコントロールも含めた体調管理の方法も早いうちから修得しておかなくてはいけません。体調もメンタルも万全な状態で試験に臨み、自分のベストが出せるように頑張ってください。



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