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公開日 : 2021/03/20

Q.洗顔をしてもニキビがなくなりません

ニキビが多く、友達とコミュニケーションができません。毎日、朝晩洗顔をしていますがとれません。 (中3女子)
病院へ行き、長期的に治療をすることが効果的!

この方が回答してくださいました!

虎の門病院皮膚科長
はやし のぶかず
林 伸和 先生

1989年東京大学医学部医学科卒業後、同皮膚科学教室入局。1993年米国マイアミ大学細胞生物学教室に留学。2000年東京女子医科大学皮膚科講師、2006年同助教授となる。2011年からは、虎の門病院皮膚科部長としてニキビ患者の専門治療にあたっている。



にきびができたら病院へ行こう


 にきび痕には、赤いにきび痕(炎症後紅斑)、炎症後色素沈着、凹んだにきび痕(萎縮性瘢痕)、膨らんだにきび痕(肥厚性瘢痕あるいはケロイド)が含まれます。炎症後紅斑や炎症後色素沈着を大きな問題と考えている患者さんは多いのですが、実際には通常のにきびの治療を継続していると、これらは自然に消えてきます。


  一方で,萎縮性瘢痕や肥厚性瘢痕は不可逆性の変化とされており、治療は困難で予防的な治療が大切です。萎縮性瘢痕や肥厚性瘢痕ができていない患者さんは、早期に医療機関で治療を開始しているというデータが報告されています。自己流のスキンケアや生活改善を試みてから、受診するよりも、にきびができたら皮膚科をすぐに受診するのが良いでしょう。



にきびの治し方


 日本皮膚科学会の尋常性痤瘡治療ガイドラインで、最も強く推奨している治療をご紹介します。赤く、痛みのある急性期の症状に対しては、抗生物質の飲み薬や塗り薬に加えて、毛穴の詰まりを防ぐ作用のある塗り薬(過酸化ベンゾイル,アダパレン)を併用します。炎症症状が治まったところで、抗生物質を中止して、毛穴の詰まりを防ぐ塗り薬を継続して使用する維持療法に移行します。塗り薬には乾燥や紅斑、かゆみなどの副作用がありますが、多くは使用量の調整などで対処可能です。


  医療機関で処方される医薬品は、一般向けの広告が制限されています。一方、インターネットや女性誌などの広告記事でよく取り上げられている化粧品や医薬部外品などは、テレビ等のマスメディアを使っての宣伝が許されています、これらの広告をみて、化粧品や医薬部外品は処方用医薬品よりも効果が高いと誤解している方もいると思いますが、そのような事実はありません。


  にきびは、小学6年生から中学生のころに始まり、20歳くらいまで続くことが多く、急性期の治療のみで治療を中止すると、すぐに再発してしまいます。にきび痕を防ぐためには、最低でも1年程度の維持療法が必要です。にきびが長く続く人は、数年継続していただくことも少なくありません。


  にきびは皮膚の病気です。現在、ガイドライン等で強く推奨されている薬は、処方箋が必要で、ドラッグストアなどでは市販されていません。また、医療機関で早く治療したほうが、瘢痕ができにくいことも知られています。化粧品や市販薬を使ったり、膿を自身で押し出したりして、自己流の対処をするのではなく、にきびができたら早期に皮膚科を受診してください。



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