Q.理系の大学に進学したいのですが、将来の夢もなく、志望大学が定まりません
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東京大学文学部心理学専修課程卒業、東京大学大学院人文科学研究科心理学博士課程修了。三菱化成生命科学研究所副主任研究員を経て現在明治学院大学心理学部心理学科教授。主要著書論文:Vertebrate Circadian Systems(共著)、心理学アップデイト(共著)、心理支援論(共著)、高校生に知ってほしい心理学(共著)、Circadian rhythms in synaptic excitability of the dorsal lateral geniculate nucleus in tha rat(共著)、海馬神経細胞新生の機能的意義(単著)など。
入学後にやりたいことが分かってくることもある
医者や弁護士など将来の志望がはっきりしている人もいると思いますが、高校生の段階で将来の進路を決めるのは実際にはなかなか難しいと思います。大学に入ると、高校では勉強しなかった学問がいろいろ出てきます(心理学もその一つです)。それらを勉強しているうちに、自分が勉強したいこと、やりたいことがだんだん分かってくることもあります。その後から専門を決めるには、なるべく選択肢の広い大学、例えば入学時に学科が決まるのではなく、2年生や3年生で学科が決まるような大学を目指すのも一つの方法でしょう。その場合でも理系か文系かははっきりさせる必要がある大学が多いと思いますが、中には入学してから文系と理系を選べる大学もあると思います。しかし全体から見るとそのような大学は少数で、入学時に学科は決まっている大学が大半です。そこで次に入試までに志望学科をどのように選べば良いか考えてみましょう。
自分の興味、将来像について情報を集めたり考えたりしよう
自分がどの教科が好きかという点は最も重要です。生物学が好きなので理科系というのは自然な考え方です。薬学にも興味があるということで、生物学系の学科と薬学部で迷っているということでしょうか。それを考えるには、それぞれの学科に入学した場合の将来像を調べてみるのがまずやるべきことでしょう。大学のホームページには大抵それぞれの学科の卒業生の進路(大学院進学先、就職先)や、何人かの卒業生のメッセージが掲載されていることが多いので、それらを読んでみると、イメージが具体的になり考えやすくなると思います。いろいろな大学のホームページを見て読んでいるうちに、だんだん自分のやりたいことが分かってくるように思います。オープンキャンパスの機会も是非活用すると良いでしょう。また学校や予備校の先生、そしてご両親とも良く相談することも大事です。そのような活動をしているうちに、10年後の自分の姿(白衣を着て実験室で何か研究している、会社で顧客に自社製品の優れたところを説明しているなど)が具体的にイメージできるようになると志望がはっきりしてくると思います。それでもはっきりしないのであれば、最初に書いたように、できるだけ入学してから学科を決めることのできる大学を目指すのが良いのではないでしょうか。