Q.緊張すると肩が上がってしまう。どう改善すればいいですか?
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横浜国立大学教育学部心理学科を卒業。羞恥心、対人不安、自己呈示について研究。 著者に『人ははぜ恥ずかしがるのか』サイエンス社、『羞恥心はどこへ消えた』光文社新書など。 研究紹介:https://www.u-sacred-heart.ac.jp/examinee/voices/20200520/4514/
緊張すると当然色々なところがこわばり、肩も上がります。表情もこわばるなど、様々なことが気になってくると思います。まず基本的に、緊張するということは人にどう見られているかということが前提になります。人に見られている自分にすごくこだわってしまうのですね。そうすると、自分の中に悪いところや変なところがないかを探してしまうのです。そうして、肩が上がっていることに気が付くと、それがものすごく気になり始めてしまうわけです。でも、緊張するとみんな肩が上がります。これは普通のことなんですよ。しかし、それを意識してしまうと、かえってそれがまた緊張につながってしまいます。案外、話している相手はあまり気にしなかったり、気がついていなかったりすることが多いです。「この人は今ちょっと緊張しているだろうな」と思われるかもしれませんが、だからといって「この人は変な人だ」と思う人はいません。人前で話すことが苦手かどうか、いろんな国の人を調査していますが、日本人だけがダントツで高い数値になっています。もともと日本人はすごく緊張しやすく、一人だけがみんなの前で違った行動をすることが苦手なんですね。だから、緊張するのは自分だけではないと思うことが大切です。基本的には、みんなそういう悩みや特徴を抱えているので、自分だけじゃない、そんなに特別なことじゃないんだと思って、あまり意識しないことがポイントだと思います。
会話するとき、目を見続ける必要はない?
友達と会話するときも緊張してしまうとのことですが、色々なことに気を使いすぎているのかもしれません。例えば、話すときは人の目をしっかり見ないといけないと思っているなど。目を見て話すことが苦手な場合、下を見ても構いません。基本的に、会話をしているときにずっと相手の顔を見ながら会話する人はいないんですよ。人間は目を合わせたり、離したりの繰り返しの中で会話のリズムをとっているんですね。だいたい話をしているときというのは、相手の顔を見ない場合が多いです。話し終わったときに、「私の話が伝わったのかな?」と思って、そこで相手の顔を見たりするんです。目を合わせるのが苦手な人は、ずっと見てなくてはいけないのではないかと強迫観念にとらわれていることが多いです。しかし、逆にずっと顔を見られていたら、ちょっと怖いですよね。文化によって目を合わせる時間が違っていて、日本人はあまり目を合わせないと言われています。だから、無理やり合わせる必要はありません。そこはまず誤解しないようにしてください。無理に目を見ようとせず眉間やおでこ、鼻を見て話してみるといつもよりリラックスして話せるかもしれません。