Q.アイドルやジャニーズにお金を使いすぎてしまうのですが、どうしたら良いでしょうか。
この方が回答してくださいました!
東京大学医学部を卒業し、ゆうメンタルクリニック・ゆうスキンクリニックを開院。医師業のかたわらマンガ原作者としても活躍。主なマンガ原作に 「マンガで分かる心療内科」(少年画報社)『ちょっとだけ・こっそり・素早く「言い返す」技術』(三笠書房)など
人は成長過程で「何かにすがり、すがっていたものから卒業する」という行為を繰り返し大人になります。 今回ご相談をいただいた「アイドルが好き」ということも今後のあなたの考え方や物の決め方などに大きな影響を与えてくれる大切なものでもあります。なので、金額にもよりますが、ライブ代金やグッズ購入にお金を使ってしまうことはそれほど大きな問題ではありません。
買い物依存の可能性?一度クリニックに足を運んでみよう
気になる点として「お金を使うことで安心感を得ていている」の部分です。
必要以上にお金を使うことで「喜びを感じる」「安心感が得られる」というのは買い物依存の可能性があります。
買い物依存症とは、買い物をすると気分が高まる、安心する・嫌なことが忘れられるなどの精神状態になります。
そして「欲しい物があるから物を買う」のではなく、「気分を高めたくて買い物をする・安心したくて買い物をする」というように、買い物自体が目的になり、自分自身の気持ちや行動をコントロールできなくなる状態ことです。
ひどくなると、買い物がやめられない自分に罪悪感を覚えたり強い後悔をしたりします。その結果うつ病や不安症のような状態になってしまう人も少なくありません。
もちろん軽度な状態であれば意識を変えるだけでも依存を治すことはできますし、クリニックでも治療はできますので、大きな不安を感じることはありません。
依存している自分と向き合う方法を考えてみよう
本来であれば「アイドルを見ない・ライブに行かない」という物理的に距離を置く方法が一番効果的です。ですが、メディアへの露出が多いアイドルであれば、つい目にしてしまうこともあるため、日常生活から切り離すのはなかなか難しいかもしれませんし、しばらくして別の何かに依存してしまう可能性もあります。
そこで、親や友人など身近にいる人たちに「宣言」するというのも良いかと思います。
「私は月●●円までしか使いません!」と周囲に宣言することで、お金を使うことのハードルを高くすることができます。
また「○○ができたらライブチケットを買う」というようにご褒美でお金を使うのも手法の一つです。報酬を設定することでお金を使いにくくなりますし、使った時の達成感を味わうこともできます。それにより、「お金を使う=安心」から「お金を使える=達成」というように考え方が変わってきます。
依存症というものにおびえるのではなく、依存している自分と向き合い改善していくという行為が大切です。