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公開日 : 2022/01/19

Q.生理が来ません。どうしたらいいですか?

もう高2なのに、生理が来ません。どうしたらいいですか? (高2 女性)
精密検査をするため、産婦人科に行ってください

この方が回答してくださいました!

東京大学 産婦人科医
こうがかをり
甲賀かをり 先生

1989年筑波大学附属高校卒業。1996年千葉大学医学部卒業。2003年東京大学大学院医学研究科博士課程修了。産婦人科医として東京大学医学部附属病院、三井記念病院、国立霞ヶ浦病院、武蔵野赤十字病院で勤務。2006–2008年豪州プリンスヘンリー研究所、米国イェール大学ポスドク研究員。2013年東京大学医学部産婦人科講師。2014年同准教授。受賞歴、米国生殖内分泌学会Gusdon Award(2008年)、神澤医学賞(2018年)など。日本子宮内膜症啓発会議副理事長、World Endometriosis Society Ambassador。産婦人科医として女性の診療に当たる傍ら、一般市民に対する子宮内膜症や月経関連疾患の啓発につとめている。



病気の可能性があります


 産婦人科のガイドラインには「15歳で月経が来ていなければ精密検査をしたほうがいい」というふうに書かれています。何らかの病気がある可能性があるので、産婦人科に行った方がよいです。病気といっても色々な可能性があり、ご自身で判断されるのはなかなか難しいからです。


 産婦人科では生理が来ないだけではなく、第二次性徴が来ているかどうかなど様々な材料から病気の原因を特定します。第二次性徴とは胸が大きくなっているか、陰毛が生えているか、身長の伸びがまだあるか止まっているか、などがあります。

 なかなか人に相談しにくい悩みだとは思いますが、まずは産婦人科に行き、生理が来ない原因を調べてもらいましょう。




ホルモンを補う治療か、別の治療をされる事が多いです


 生理が来ない原因は大きく分けて、卵巣に問題がある場合と、子宮に問題がある場合に分けられます。大体の人はどちらかに問題があります。


 卵巣が働いていない場合は、卵巣ホルモンを補って生理が来るようにします。このホルモンは、女性が普通に生きていく上で必要なホルモンです。それを補うことで、生理を起こすだけではなく骨を強くしたり、血管の壁をしなやかにしたりするといった様々な効果もあります。


 一方で、子宮に問題がある場合は複雑で、子宮の内膜が厚くなっていなかったり、そもそも子宮がなかったりなどの原因があります。産婦人科では、それぞれの原因に合った治療法で治療を進めていきます。




大人の価値観を気にして、自分の悩みを諦めないで


 今の中高生の親世代は、産婦人科を分娩や避妊をするために行く場所、中絶をする場所と捉える人もいるそうです。避妊の目的ではなく、生理で悩んでいるから産婦人科に行ってピルを貰ったのにお母さんに怒られたなんて話をよく聞きます。


 そういった場所ではなく、産婦人科を生理などにまつわる困り事を解決したり、あるいは子宮頸がんなど将来の病気の予防をしたりするための気軽な相談場所のように捉えてもらえたらいいのになと思うんですよね。また、今は産婦人科に来てすぐに、痛い検査をするといったこともありません。意を決して産婦人科に来る人が多いですが、あまり構えずに「少し痛いから明日行こう」といった感覚で安心して来てほしいです。


ピルに関して言うと、歴史的には確かに避妊薬として流通していました。


 さらに日本の場合、避妊法はコンドームの方がポピュラーで、避妊法としてピルを選ぶ人は少数派でした。そのため、みなさんの親世代は「ピル=避妊=性行動が盛んな女性が飲むもの」というイメージを持つ人も多いです。


 親世代の人生の歩み方は、20代でお嫁に行って子どもを産むというライフスタイルでした。けれども最近では20代でキャリアを形成して、30代に入ってから子供を産むという女性が増えています。しかし、月経困難症がある人は中高生でパフォーマンスを十分発揮出来ず、その後も色々な場面で力を発揮できなかった結果、将来就きたい職業になれなかったというデータも存在します。


 若い恩恵を享受する人たちは、生理のせいで希望通りにキャリアを形成出来なかったという事がないように、生理のことで何か悩んでいたら産婦人科で解決しましょう。私たちは現代を生きる全ての女性の、生理のことや様々な健康面での悩みを解決するために仕事をしています。



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