AO入試・推薦入試の基礎知識
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現在、一般入試だけでなく推薦・AO入試といった様々な入試形態がここ十数年で導入され、
受験生は自分の特性や志望大学に合わせた入試形態を選んで挑戦することが出来ます。
そして、2016年度には東大でも初の推薦入試が行われるなど、さらに注目が集まっています。

では、現在どのような入試形態があるのでしょうか。よく耳にする推薦入試・AO入試とはいったい何でしょうか。
そんな疑問に、東進がお答えします!

登場人物

入試方式の多様化

新聞やニュースで、2016年度から東京大学で推薦入試が開始するなど、今後国立大学でも推薦入試やAO入試を拡大していくという話題を目にします。今の入試方式でさえ、私が受験生だった頃と様変わりしていてよくわからないのに、さらに変わっていくと聞くと、余計入試方式のことがよく理解できず、子どもにアドバイスできないので不安に思っています。

そうですね。
お母さんのおっしゃる通り、2020年にセンター試験に代わる「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」が導入されるなど、大学入試改革に向けた動きが進んでいます。今までの点数至上主義の評価方法から、学習意欲や積極性、論理的な課題解決力と発信力など、多面的に人物と能力を見ていく評価方法に変えていこうという考えが背景ですね。

どのくらい、AO・推薦入試を実施する大学が増えているんですか?

以下のグラフを見てみましょう。
グラフ1が2015年度大学入試の入試形態別入学者数の割合、グラフ2がAO入試実施大学数の推移です。
グラフ1を見ると、私立大学では2007年度以降一般入試による入学者の割合が5 割を下回っており、約半数が推薦入試またはAO入試による入学者となっています。
国公立大学でも推薦入試・AO入試の導入が進んでおり、国立大学の入学者の約15%、公立大学の入学者の約26%が推薦入試またはAO入試で入学しています。
グラフ2を見ると、特に、AO入試は私立大学を中心に爆発的に導入が進み、2015年度には464校もの私立大学がAO入試を導入しています。

大学入学者の入試形態割合
AO入試実施大学数の推移

私立大学の約半数が推薦・AO入試での入学で、国立大学でも2015年度では約15%、2020年までには倍の30%になるんですね。
推薦入試やAO入試は学力試験がないから、勉強しなくてもいいのかな?

実は、そんなこともないんです。
近年では推薦入試・AO入試でも高校の調査書や評定平均値、センター試験の成績などで受験生の学力を把握し、出願要件や合否判定に用いることが求められるようになっているんですよ。
だから、推薦入試・AO入試でも一定の学力は必要なんです。
また、多くの大学では「入学前教育」として、問題集、レポート提出、添削課題、合宿などを実施しています。同様に、「リメディアル教育」と称して、大学入学前や入学後に高校の授業内容の補習をしている大学もあります。

推薦・AO入試のスケジュール

推薦入試とは

それでは、推薦入試について具体的に教えてください!
推薦入試で受験するにはどうしたらいいんですか?

推薦入試とは、原則として出身高校の校長の推薦を受け、主に調査書で合否を判定する入試制度。
校長による推薦の有無がAO入試との大きな違いですね。原則として学力試験は免除されますが、小論文や面接試験を課す大学が多いです。国公立大学ではセンター試験を課す場合が多く、2016年度入試では87の国公立大学の推薦入試でセンター試験が課されました。
推薦入試は、大きく分けて指定校制推薦と公募制推薦とに分けられます。
よし、それぞれの特徴と受験のポイントを見ていきましょう。

推薦入試のタイプ
指定校制推薦

指定校制推薦は、大学から推薦枠をもらった高校からしか出願できません。
また、前の年に指定校だったからといって今年も枠があるとは限らないので、自分の通っている高校が志望大学の指定校推薦の対象になっているかきちんと確認しましょう。
高校ごとに推薦枠の人数も決まっているので、校内での選抜で高校の代表に選ばれなければなりません。すなわち、指定校制推薦の競争相手は同じ高校に通う同級生ということになるのです。

校内選抜の基準は高校によっても多少異なりますが、基本的に高1から高3の1学期までの成績(評定平均値や学習成績概評) が重視されます。また、部活動や生徒会活動など、学業以外の活動や、出席日数、授業態度など、総合的に学校の代表としてふさわしい生徒かどうかが評価の対象になります。

校内選抜を通過して出願できれば合格率は高いですが、100%ではないので油断しないようにしましょう。面接や小論文が課されることが多いので、それらの対策も必要です。
また、指定校制推薦は、大学と高校との信頼関係のもとに成り立っている制度なので、入学を辞退することができません。安易な気持ちで推薦入試を利用せず本当に自分の行きたい 学校かどうかを前もって十分に調べておき、後悔のないように。

さらに、指定校制推薦で推薦を受けるということは、高校の代表になるということでもあるので、例えば大学入学後の学業成績が悪いと、翌年以降推薦枠の見直し(高校が指定校からはずれること) もあり得るのです。後輩に迷惑をかけないためにも自覚をもって推薦を受けるようにしましょう。

高校が志望大学の指定校推薦の対象になっているかは、
高校の担任の先生に確認してみるといいのかしら?

そうですね。
または、高校に進路指導室があったり、進路指導担当の先生がいたりする場合が多いので、
そこで確認してみるのもいいですね。

公募制推薦

公募制推薦は、指定校制推薦とは異なり、どの高校からでも出願できます。
ただし、大学・学部ごとに出願資格が厳密に決められているので、自分が出願資格を満たしているかどうか、募集要項で確認する必要があります。
出願資格は主に、高1から高3 の1学期までの成績(評定平均値)、出席日数、部活動・生徒会活動、資格(英検など)、ボランティアなどの実績です。通常、国公立大学では評定平均値4.0以上や学習成績概評Aが要求されていることが多いです。私立大学では評定平均値3.2以上、学習成績概評C以上としているところが多いですが、難関私立大学では国公立大学と同様の基準となっている場合もあります。
評定平均値は高校生活における日常の努力の成果なので、推薦を受けようと思ったら高校1年生のときから心して学習に取り組まなければなりません。

選考は、志望理由書や調査書、推薦書などの書類審査と、面接試験、小論文試験などによるものが多いです。国公立大学ではセンター試験を課すところも多いです。また、公募制推薦には、地域枠推薦、スポーツ推薦、自己推薦などさまざまな種類があります。
地域枠推薦は、医学部医学科や教育学部で実施されていることが多く、地元の高校の出身者であることや、卒業後に一定期間その地域に勤務することが要件となっている場合が多いです。なお、卒業後に一定期間勤務することを条件に、修学資金を給付されるケースも多いです。また、国公立大学の医学部に実質センター試験のみで入学できる例もあり、医師を目指す場合にはかなり狙い目になります。ただし、非常に高い評定平均値が必要となるので、高校1年生のときから学校の定期試験でかなりの好成績を取り続けなければなりません。スポーツ推薦では、実技試験が課される場合が多いです。
自己推薦は校長の推薦を必要としないので、その点ではAO入試に近いともいえます。

評定平均値?
学習成績概評??
詳しく教えてください!

調査書に記載される各科目の評定(成績)は1~5の5段階で評価されます。
「各教科の評定平均値」は、教科内の各科目の評定の合計を科目数で割り、小数点以下第2位で四捨五入したものです。
「全体の評定平均値」は、全教科の全科目の評定の合計を全科目数で割り、小数点以下第2位を四捨五入したものです。
この「全体の評定平均値」を表2 のようにA~Eの5 段階にあてはめたものが「学習成績概評」です。国公立大学や難関私立大学の推薦入試を目指す場合は、Aをとることが望ましいです。Aの中でも学校長が人物、学力ともに優秀と認めた者については?と標示することができます。
なお、現役生の場合は、高1 から高3 の1 学期(または前期)までの評定をもとに計算します。

学習成績概評と評定平均値

AO入試とは

次に、AO入試について説明します。
AO入試というのは、大学が求める人物像(アドミッション・ポリシー)に合致した学生かどうかを基準に、書類や面接などで合否を判定する入試方式です。したがって、原則として学力試験は課されず、志望動機や意欲、将来性などを中心に評価されます。しかし、大学によってアドミッション・ポリシーは異なるうえに、意欲や将来性を評価する手段は大学によってさまざまであるので、AO入試のスタイルは非常にバラエティに富んでいるといえます。

多くの場合、1次選考は書類審査となります。エントリーシートに志望動機や高校での活動実績、将来の学習への意欲などを記入し、それが大学が定めるアドミッション・ポリシーに合致するかどうかが審査されます。
1次選考を通過した者には、2次選考として面接試験や小論文試験などが課される場合が多いです。大学によってはプレゼンテーションやディスカッション、フィールドワークなど、より実践的な試験が課されることもあります。
国公立大学では、センター試験が課される場合と課されない場合があります。難関国立大学ではセンター試験を課す場合が多く、合格するためにはアドミッション・ポリシーに合致するだけでなく、総合的な学力も必要になってきます。

AO入試では、志望動機や大学での研究内容などを具体的に述べる必要があるため、オープンキャンパスに積極的に参加したり、自分の志望学部に関する分野の本を読んだりするなど、大学で何を学びたいかを考える材料を集めておくことが重要となります。

自分がどれほど志望大学に合っているか、その志望動機をしっかり整理して考えて、口だけと思われてしまわないように、証拠となる行動を起こしておくことが必要なんですね。

そうですね。
理想の大学を見つけて、しっかりとアピールできるようにしたいですね。

2010年度以前はAO入試の出願時期の制限がなかったため、学生をいち早く確保したい私立大学がAO入試の実施時期をどんどん前倒しにしてしまい、「学生の青田買い」につながったとの批判がありました。
このため、2011年度以降はAO入試の出願時期が8月1日以降に制限されています。しかし、大学のなかにはそれ以前に「エントリー」を受け付けているところもあります。大学によっては出願の前の「エントリー」の段階で予備審査として面接などを行って出願可否通知(内定)を出すところもあります。この場合、内定が得られなければ「出願」できないことになり、事実上の合否判定が「出願」の前に決まってしまっています。このような大学の多くではAO入試が単なる学生獲得のための手段になってしまっていて、本来のAO入試の趣旨である「アドミッション・ポリシーに合致した学生の獲得」ができていないと批判されていますね。

AO入試が本当に「アドミッション・ポリシーに合致した学生の獲得」を目指しているか、または単なる学生獲得の手段になってしまっているか。後者の場合、きみの将来の夢を叶えるための学びができる大学かどうか心配な点があるので、志望大学選びのときに注意してみていきたいですね。

AO入試のタイプ

ナガセグループ

教育力こそが、国力だと思う。