勉強をしている意味が分かりません。大学受験のためにしているということしか考えられないのですが、他にも意味はありますか? (高2女子)
受験のためだけって考えはもったいない!僕の考える3つの意味。
  
いきものがかり ミュージシャン・ソングライター
みずの よしき
水野 良樹
さん

「いきものがかり」のリーダー。ソングライター。神奈川県出身。2006年一橋大学社会学部卒業。2006年にメジャーデビューし、2008年より「NHK紅白歌合戦」に9年連続出場。「YELL」、「じょいふる」、「ありがとう」など、数々のヒット曲を作詞作曲。国内外を問わず、様々なアーティストに楽曲提供をする他、ラジオ、テレビ出演、また雑誌、web連載など幅広い活動を行う。



その1:等身大の自分を知る大きな経験


  僕は現役で明治大学に入りましたが、仮面浪人して一橋大学を目指しました。中学生の頃は野球を一生懸命やっていたのですが、顧問の先生と喧嘩して辞めてしまいました。15歳の僕にとって、一生懸命やっていたことを、しかも不本意な形でやめてしまうということは大きな挫折でしたし、自己嫌悪になりました。自分は大好きな野球すら中途半端に投げ出すような人間なんだなって。高校に入ってバンドを組み、コンテストに出ても準決勝で敗退。何事も中途半端な自分は嫌で、一度くらい自分で決めて挑戦したい。それが仮面浪人のきっかけでした。 


 仮面浪人中は大学に通いながらも、早朝にアルバイトをして予備校代を自分で出していました。限られた時間を整理して勉強する生活は、なかなか思うようには進みません。親には啖呵を切って必ず成し遂げると言ったのにサボっちゃったり、思うように成績が伸びなかったり。そんな日々の中で、自分を卑下すること無く、過大評価することも無く、自分にはどれくらい頑張る力があるかをまざまざと感じる。それは僕の人生にとって大きな経験でした。



 その2:曲作りに勉強が役立つ!? 


 僕が曲作りで大切にしていることは、なるべく多くの解釈ができるようにすることです。僕らの曲を聴く人は70代のおばあちゃんだったり、6歳の少年だったりします。なるべく多くの人が、それぞれの解釈をできるような曲作りを心がけています。


 「ありがとう」という曲も、それを意識して作りました。プレゼントを貰うときに言う「ありがとう」。長年連れ添ってくれた人が亡くなるときに伝える「ありがとう」。同じ言葉でも多くの種類の「ありがとう」がありますよね。歌詞の中の「ありがとう」が、誰のどんな種類の「ありがとう」にも繋がるように、そして聴いてくれる誰もが自分のこととして捉えていただけるように意識しています。


  僕は社会学部に入ったのですが、社会学とは世の中の仕組みを俯瞰したり、世の中で規範とされるものを疑ったりする学問でした。自分の価値観だけではなく複眼的な思考を持ち、多くの解釈ができる曲を作るために、大学での勉強は音楽活動にも役立っています。



 その3:アプリをインストールするように「楽しく」


  世の中って特殊な経験をした人が目立ちますよね。好きなことだけをして成功した人や、既存の学校教育は無駄だと言って、何か突き抜けた勉強をして成功した人が目立ってしまう。そうすると学校の勉強ってなんだか無意味に見えるし、無駄だよって言える人はかっこよく見えたりします。でも学校の勉強ってみんなに合うように作られているし、やっぱり必要だよねってことだったりする。それらを自分の脳に入れておくことは、直接的でなくても生活に効いてきます。


  人間の脳ってパソコンで言うOSのようなものだと思うんです。その構造はアプリの入れ方によって変わります。同じOSでもアプリを入れると機能がどんどん変わっていきますね。人間も同様に、新しい情報を入れたり新しい人に出会ったりすると脳がアップデートされ、視野が広がるし、考え方も変わっていきます。


  大学受験のための勉強って考えると課題としか捉えられないし、もったいないと思います。いずれ何かに役立つ新しいアプリを自分の脳に取り入れるようなイメージで捉えられたら楽しいんじゃないかな。



  • Lineで共有
  • Twitterで共有
  • facebookで共有
  • Mailで共有

関連記事

トップに戻る

カテゴリー

  • 人間関係
  • 家庭
  • 学校
  • 進路
  • 勉強
  • コンプレックス
  • 恋愛
  • スマホ
  • 健康

悩みを検索

あなたのお悩みをお聞かせください

あなたの投稿をもとに専門家や著名人の方に取材を行います!

性別
学年
メールアドレス(任意)
お悩み投稿欄