Q.勉強に役立つ運動方法が知りたい
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筑波大学医学専門学群・大学院医学研究科生化学専攻修了。博士(医学)。専門は代謝学、応用栄養学。食生活や身体活動などの観点から、生活習慣病の予防・治療について研究を行っている。所属学会;日本糖尿病学会、日本体力医学会、日本栄養・食糧学会など。著書として『臨床栄養学(新スタンダード栄養・食物シリーズ)』、『疾病の成り立ち(新スタンダード栄養・食物シリーズ)』(東京化学同人)などがある。
運動には有酸素運動と無酸素運動の2種類あります。有酸素運動は比較的長時間、ゆっくり呼吸をしながら行うことができる低〜中強度の運動です。一方、無酸素運動は短時間で酸素を取り入れずに行う強度の高い運動です。
勉強の間に息抜きの一環としてリラックスをする目的で行う運動としては、有酸素運動がおすすめです。少し軽めの運動はストレス解消に向くと言われています。具体的には、20〜30分くらいのストレッチや軽いジョギングをすると身体が疲れすぎることなく、脳も含めて全身の血流がよくなるため、良い気分転換になるでしょう。
基本的に、運動の効果は強さと時間で決められます。リラックスをしたいときは軽め×長めの運動が適していて、身体に負荷をかけるきつい運動をするより少し汗ばんで気持ちいいくらいの運動をするほうがよい気分転換になりますよ。
筋肉の運動にも脳の活動にも、両方とも糖質(ブドウ糖)という同じ栄養素が使われます。筋肉で糖質を使いすぎると脳に糖質が足りなくなってしまうかも知れません。でも軽い運動を長くするときには、糖質とともに体脂肪もエネルギーとして使われるので、勉強の息抜きとしての運動なら軽め×少し長めの有酸素運動をお勧めします。
眠気覚ましには短めの筋トレが効果的
無酸素運動はどちらかと言うと、筋肉をつけて体を作ることに適しています。強度の高い運動(筋トレなど)をするとアドレナリンが分泌され、興奮状態になります。
アドレナリンが出ると動物は覚醒状態になるので、眠気覚ましとしては良いかもしれませんが、その反面、やりすぎると疲れて勉強に逆効果になってしまいます。運動に疲れて寝てしまっては意味ないですよね。目的に合わせて有酸素運動と無酸素運動を使い分けてみてください。