ページを更新する ページを更新する
公開日 : 2019/03/27

Q.子どもが全く勉強をしません。

中学生の子どもがいるのですが、全く勉強をしません。どうしたら勉強するようになりますか。 (保護者)
お子様が熱中できるように手助けしてあげましょう

この方が回答してくださいました!

sakurAi Science Factory 代表取締役CEO
さくらい すすむ
桜井 進 先生

1968年山形県東根市生まれ。サイエンスナビゲーターⓇ sakurAi Science Factory 代表取締役CEO 東京工業大学理学数学科卒、同大学大学院院社会理工学研究科博士課程中退。 東京理科大学大学院非常勤講師。2000年にサイエンスナビゲーターⓇを名乗り、数学の歴史や数学者の人間ドラマを通して数学の驚きと感動を伝える講演活動をスタート。東京工業大学世界文明センターフェローを経て、現在に至る。小学生からお年寄りまで、誰でも楽しめて体験できる数学エンターテイメントは日本全国で反響を呼び、テレビ・新聞・雑誌など多くのメディアに出演。著書は『感動する!数学』『雪月花の数学』『わくわく数の世界の大冒険』『面白くて眠れなくなる数学』など50冊以上。※サイエンスナビゲーターは株式会社sakurAi Science Factoryの登録商標です。



勉強という言葉の意味を辞書で調べてみましょう。  

【勉強】 1. 困難なことをむりにがんばってやること。 2. むりに勧める。 3. 〔国〕学問にはげむこと。 4. 〔国〕商人が品物を安く売ること。  


漢字源の意味です。


 「勉強しなさい」という言葉は「困難なことをむりにがんばって、しなさい」という非常に強く、きつい意味なのです。人は経験的にそのことに気づいています。勉強が嫌いなのは当然でしょう。  


 もう一つ、「数学(理科、英語、etc)を勉強する」を普通に使っていますが、これにも違和感があります。「音楽を勉強する」「スポーツを勉強する」「ダンスを勉強する」という表現は聞いたことがないですよね。  


 もちろん、1番目の意味の勉強は必要であることは言うまでもありません。漢字も九九もむりにがんばって勉強する必要があります。しかし、1番目の意味の勉強を続けていると、いつか我慢が効かなくなる時が来ます。問題なのは勉強しすぎることなのです。


  ある程度の水準まで勉強したならば、後は1番目の意味の勉強は適切ではなくなっていくということです。では、どうしたらいいのでしょうか。 「勉強」から「熱中」へ  音楽・スポーツ・ダンスにその答えのヒントがあります。重要なのは「熱中」です。寝食を忘れるほど没頭するから上達し、上達したことの達成感・成功体験が新たなチャレンジしようとする強い意志を引き出してくれるのです。スポーツや音楽と同様に、「数学を勉強する」から「数学に熱中する」に変えていくことが大切です。


  ではどうやって、それを実現するか。キーワードは「興味・感心」です。これも音楽・スポーツ・ダンスと事情は同じです。数学(理科、英語、etc)にも興味・感心を持つことが非常に大切です。それには様々なアイディアがありますが、ここでは保護者の方に対するアドヴァイスを一つ紹介しましょう。  


 数学(理科、英語、etc)に保護者自身が興味・感心を持つことです。そして、その様子をお子様に見せることです。お子様に勉強しなさいと叱るよりも遙かにいい影響を与えます。  


 自分の親が興味・感心を持つことには、自然に子どもも興味・感心を持ちます。例えば、数学(理科、英語、etc)の本を選んできて読んでみる。そして、その感想とともにお子様に勧めてみてください。自分が読んでもいない本を読んでみなさいと言ったところで相手には説得力を持ちませんが、自分が面白いと思った本ならばその思いは相手に伝わります。


  子どもたちは毎日勉強しています。勉強しすぎているところが問題なのです。なぜこれほどに、1番目の意味の勉強をしなければならないのかと思っています。「勉強よりも熱中」「興味・感心をもつこと」を頭の片隅においてみてください。



関連記事

トップに戻る

カテゴリー

  • 人間関係
  • 家庭
  • 学校
  • 進路
  • 勉強
  • コンプレックス
  • 恋愛
  • スマホ
  • 健康

あなたのお悩みをお聞かせください

あなたの投稿をもとに専門家や著名人の方に取材を行います!

性別
学年
メールアドレス(任意)
お悩み投稿欄