理系の学部に行きたいのですが、数学や物理が苦手で文系に行こうか悩んでいます。どうするべきでしょうか。 (高1男子)
興味のあることに携われる職業は1つじゃない!本当にしたいことを考えてみよう
  
QuizKnock
すがいしゅんき
須貝駿貴
さん

2017年にQuizKnockに加入。主に動画に出演し、「ナイスガイの須貝」が決め台詞。動画企画「QuizKnock Lab」の実験制作などを担当し、書籍化した。国立科学博物館認定サイエンスコミュニケーター。東京大学大学院総合文化研究科後期博士課程を修了。学位は博士(学術)。東京大学教養学部卒業の際に「一高賞」を受賞。2018年日本物理学会で「学生優秀発表賞」を受賞。趣味はマンガやアニメの鑑賞、アイドル・声優の応援。ゲーム全般も好きで、最近は将棋や麻雀も好き。



ー「理系の学部にいきたいのですが、数学や物理が苦手で文転しようか迷っています。」という高1男子からの悩みの投稿について、須貝さんにお伺いしたいです。


 僕は、理系の学部にいきたい、やりたいことがあるというのなら、数学や物理を勉強するべきでしょうとまず端的に思います。やりたいことがあるけれど、数学や物理が苦手で、文転して文系に行くという選択が取れるのなら、そもそも理系の学部に行きたいという気持ちは、そんなに熱いものではないのかもしれないし、夢としてのレベルもやはりそんなに高くないといえます。でも、それは別に構いません。数学や物理をやらない人はいくらでもいるし、逆にあなたの代わりに数学や物理をたくさんやって理系の学部に行ってくれる人もたくさんいるよというわけです。代わりに任せてみてはどうでしょうか。


 ただ、それでもやりたいことがある、理系に行きたいという気持ちがあるのなら、数学や物理をやるべきです。高1で苦手ということですが、ほんまかいな?という感じです。それほど難しいことに君は本当に出会っていないのでは?と思います。勉強時間が他の科目と比べて足りていないからできないだけで、勉強していなければできないのは当たり前だと思いませんか?それを苦手とは言いません。例えば、1日16時間物理のことしか考えずに、5か月過ごすという生活をするとします。それでもできませんというのなら、それは相当苦手で、本当に物理に向いてない可能性はあるし、そういう人はいます。そうであれば文転すべきとも思うけれど、単にまだやってないだけなら挑戦してみては?それで、最終的に数学や物理が苦手なのでもう見てられないですっていうのなら文転してもいいんじゃない?と僕は思います。


 それから、理系の学部にいきたい理由を今一度考えたらどうかと思っていて、例えばロケットをつくりたい気持ちがあるから工学部にいくとする。でも、本当にロケットをつくりたいのかなぁ?と思うわけです。ロケットの素晴らしさをみんなに伝えたいですっていう夢だった場合、ロケットをつくることが目的じゃない可能性があります。ロケットが好きなのは共通していても、その気持ちはロケットをつくることでしか表せないと勘違いしているかもしれないわけです。まだ高1で、色々な仕事があることに気づけてないから。これはありえることです。もしロケットが好きで、人にロケットの素晴らしさを伝える仕事がしたいですという場合、例えば文学部にいってたくさんの文章に触れて、自分にしかロケットの素晴らしさを表せる小説は書けない!という小説家になるという選択肢もあります。もちろん数学や物理ができた方がいいとは思います。ただ、工学部の人ほどはできなくてもいいのでは?というわけです。理系の学部に行きたいのはなぜ?なにがしたいの?と突き詰めていくと、道が拓けるはずです。


 それで、やっぱり理系の学部だ、自分がやりたいのはロケットづくりだというのなら、数学や物理はやれというふうに思います。やったら?と優しく言ってもしょうがないので、やれと思います。「理系の学部に行きたいけれど、数学や物理が苦手」という質問は、「野球部でレギュラーになりたいけれど、素振りや筋トレが苦手」っていう質問に聞こえてきますね。レギュラーになりたいなら、どんなにしんどくても素振りや筋トレをやるように言うしかないと。別に野球好きな気持ちのまま帰宅部っていう選択肢はあるはずです。だから、まず前提の部分について考えてみましょう。どうして自分は理系の学部に行きたいのか考えてみて、自分の熱い気持ちを確認できたら、もうやるしかないねというふうに考えます。


ー今の自分の夢が本当にやりたいことなのか冷静に考えることが、高校生だとなかなか難しいのかなとも思いました。


 将来について考える余裕がないというのはよく分かります。よく分からないけど授業は進むし、なぜか分からないけどテストがあるし…というのは間違いなくあります。そういうときは、せっかくなので、この記事を読んでくれているあなたには、数学や理科のことは一切考えなくていいから、1日3時間でも4時間でも自分のやりたいことが何なのかを考えてみてほしいです。


 考えるときにポイントなのは、ちゃんと調べものをすることです。ロケットの例でいうと、ロケットに関する仕事や研究にはどういったものがあるのだろうってたくさん調べるとか。大学の先生たちはどんな研究をしているのかを調べたら、エンジンに関する研究があるし、ロケットの窓の研究もあるだろうし、ロケットの椅子の研究もあるだろうし、ロケットで宇宙に飛ばした後の無重力空間で金魚がどうやって動くかの研究もあるでしょう。いっぱい見つかると思います。だから、今調べるぞって思えたあなたは、ぜひそういう時間をとってください。


 とにかく忙しくて、理系の学部にいきたいかどうかを考える時間はあまりないけれど、なんとなくいきたいような気がするっていうあなたは、それはもうそういうものだと仮に目標をおきましょう。きっと進路指導のときや高3の夏にはもう1回考えないといけないので、考えるのは一旦先送りにして、それまでは考えないようにして、物理と数学は嫌だけど、まあ仕方なくでも一生懸命やるかっていうふうにやってもいいかなと思います。


 この記事を読んだあなたの道は2通りですね。1週間、2週間、何か月かかるか分からないけれど、自分の進路について一生懸命考えて調べる。もう一つは、さておき数学や物理をとにかくやる。これは数学とか物理の話だけじゃなくて、英語や国語が苦手だけど必要ですって逆の立場の人も同じです。苦手だなと思ってぐずぐずして、調べ物もしないし、勉強もしないとなると、どんどんしんどくなってしまうというのはすごくよく分かる気持ちです。僕がまさにそう。もうすぐ30年生きるけれども、あれもやらないとこれもやらないと…となって、できなかったときはなんでやらなかったんだろうっていう後悔を、もう何回あったか分からないくらい経験しています。だからこの記事を読んでいる人には、もしもどっちかをやるって決めてくれたのなら、調べものをするか、さておき数学や物理をやるかみたいな感じでやってくれたらなって思います。


ーまずは自分自身と向き合ってみて、後悔のない選択をしてほしいですね。ここまで、貴重なお話をありがとうございました!




■QuizKnockとは?

 QuizKnock(クイズノック)は、東大クイズ王・伊沢拓司が中心となって運営する、エンタメと知を融合させたメディア。

 「楽しいから始まる学び」をコンセプトに、何かを「知る」きっかけとなるような記事や動画を毎日発信中。 現在、全国の小・中学校、自治体での講演活動も積極的に行っている。 YouTubeチャンネル登録者数は155万人を突破。(2021年1月時点)



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