Q.もうすぐ受験で勉強しなければいけないのにやる気が出ません。
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三重大学教育学部卒、名古屋大学大学院教育発達科学研究科博士課程後期課程修了、博士(心理学)。専門は教育心理学(動機づけ、自己調整学習)。学校心理士。最近の関心は、教育心理学の考え方をもとにした授業づくりのサポート。
やる気に左右されなくても大丈夫
受験を考える時期になってくると、勉強しないとな……と焦りを感じますよね。本来ならやる気を出して勉強していないといけないのに、「なんかやる気が出ないから、今日はもういっか」となってしまうことも多いかもしれません。
受験のための勉強は、そもそもやる気が出にくいものだと思います。趣味や部活については、それ自体が楽しくてやる気が出ますが、数学や英語の勉強は「大学に入るため」にするという面があります。もちろん、人によっては勉強が純粋に好きということもあるでしょうが「大学に入る」という目標のための手段として、歯を食いしばりながら勉強する人が多いのは事実です。
「やる気を出すこと」ではなくて、「勉強すること」
そもそもやる気を出さないと勉強はできないのでしょうか。多くの人は、やる気は勉強するための条件だと思っているようです。「やる気を出す」→「勉強する」という図式ですね。そうすると、どうしてもやる気を出すことに意識が向きがちです。
自分が好きなことに夢中になっていたとき、最初にやる気を出したでしょうか。あるいは好きなことではなくても、渋々やっているうちに気づいたら集中していて時間が経っていたということもあるのではないでしょうか。
やる気を出すことは、必ずしも勉強をするために必要な条件ではないのです。やる気を出さなくても勉強はできます。大事なのは「やる気を出すこと」ではなくて、「勉強すること」ですよね。だから「やる気を出すこと」を意識しすぎなくても大丈夫です。
機械的にでも机に向かおう
「じゃあどうすれば?」と思いますよね。そこでやる気を出そうとせずに、とりあえず何も考えずに机に向かってみましょう。やる気が……とかは考えず、ただ機械的にロボットのように机に向かうのです。もう一歩進んで、参考書を開いてみるといいですね。机に向かって参考書を開いて、それからシャーペンを手に持ってみる。そうすると自然に何か書き始めているかもしれません。気づいたら一問解いていたなら、その調子です。
やる気を出して取り組まなくても大丈夫です。何も考えずに、とりあえず習慣として机に向かってみましょう。毎日少しずつでも構いません。そうやっているうちに気づいたらやる気も出ているかもしれませんし、習慣化されることで勉強ができるようになっているかもしれません。