Q.国語の小説問題が苦手です。
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「文章の現実から逃げない」ことを信条に、明快な構造板書と豊富な具体例を用いて難解な入試問題を「誰でも分かる」レベルに解きほぐす。卒業論文では『文章論的文章読解指導法の研究』を執筆。文章の「客観性」だけでなく、時に「多義性」「曖昧さ」まで見遣りながら、文章読解に正面から向き合う正統派の現代文講義。
「感情移入しない」は無理がある
たとえば、「いつも自分を可愛がってくれた浩平おじさんの死を知り、健二の瞳からは涙が溢れた」という文があり、傍線部の心情が問われたとします。おそらく誰もが「健二は悲しかったんだろうな」と考えて(=健二に感情移入して)、選択肢を選ぶでしょう。小説読解に感情移入は付き物です。
本文の記述と感情の整合性が大事
「健二は嬉しかったのだろうな」と読むのは無理があると言いましたが、本文のどこかに「健二は浩平おじさんへの深い憎しみを秘めていた」という記述があれば、「嬉しい」と読むのもあながち間違いとは言えません。大事なのは整合性がとれていることです。
心情表現に線を引きながら読もう
整合性を失わないために、本文を読むときに一つ一つの心情表現に注目し、線を引くことをおススメします。線を引くことによって、心情表現を視覚的に残すことができ、本文からかけ離れた理解に「飛んでしまう」ことを防げます。心情表現に線を引きながら読み、感情移入とその修正を繰り返して、本文の記述に忠実な選択肢を選ぶようにしましょう。