Q.スマホを触るのが良くないと分かっていても、1日に何時間も触って無駄な時間を過ごしてしまいます。どうしたらこの状況から抜け出せますか?
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国際大学グローバル・コミュニケーション・センター教授。1986年東京生まれ。博士(経済学・慶應義塾大学)。専門は計量経済学、社会情報学、情報経済論。SNS、炎上、フェイク情報、生成AIなどデジタル社会の諸課題を実証的に研究する。NHKや日本経済新聞などメディア出演・掲載多数。KDDI Foundation Award貢献賞、組織学会高宮賞、電気通信普及財団賞など受賞多数。著書に『炎上で世論はつくられる』『スマホを持たせる前に親子で読む本』『ソーシャルメディア解体全書』『正義を振りかざす「極端な人」の正体』など。他に、早稲田大学ビジネススクール兼任講師、慶應義塾大学グローバルリサーチインスティテュート共同研究員、東京都デジタル広報フェロー、シエンプレ株式会社顧問、日本テレビ放送番組審議会委員を務める。また、内閣府「AI戦略専門調査会」を始めとし、総務省、厚生労働省、文部科学省、公正取引委員会などの様々な政府有識者会議委員や座長を務める。
「やめたいのにやめられない」という悩みは、今とても多いです。私の調査でも、子どものインターネット利用トラブルで最も多いものが長時間利用でした。やめたくてもやめられないのは、あなたの意志が特別に弱いからではありません。スマホやSNSは、できるだけ長く見てもらえるように、とてもよく設計されています。次々と新しい情報が流れ、短い動画や通知が気になり、少しだけのつもりが気づけば何時間も過ぎている。これは多くの人に起きていることです。
スマホとの付き合い方は、根性より環境で決まる
ただ、その状態が続くと、睡眠不足になったり、勉強に集中しにくくなったり、周囲の人との関係が悪くなったりします。だから必要なのは、「自分はだめだ」と責めることではなく、使い方の仕組みを変えることです。スマホとの付き合い方は、根性より環境で決まる部分がかなり大きいのです。たとえば、寝る前はスマホを手元に置かない、勉強中は別の部屋に置く、通知を切る、よく見てしまうアプリをホーム画面から外す、利用時間を設定する。こうした工夫は地味に見えますが、かなり効果があります。大事なのは、「見ないように頑張る」ではなく、「すぐには見られない状態をつくる」ことです。
スマホ以外で気分転換できるものを少しでも見つけておく
また、スマホの時間を減らそうとしても、その空いた時間にやることがないと、結局また戻ってしまいます。ですから、代わりに何をするかもセットで考えたほうがよいです。散歩でも、読書でも、音楽視聴でも、ストレッチでもかまいません。スマホ以外で気分転換できるものを少しでも持っておくと、依存しにくくなります。
保護者と話し合いながらルールを決めていこう
保護者との関係も大切です。取り上げられる、隠れて使う、という形になると、お互いにしんどくなります。できれば「自分でも困っている」「怒るだけでなく、一緒にルールを考えてほしい」と伝えてみてください。たとえば、「夜は何時まで」「食事中は見ない」「テスト前は預ける」といった具体的な約束にしたほうが、感情的な対立よりずっと前に進みやすいです。私の調査では、親子のコミュニケーション時間が長いほど、ネット利用トラブルが少ないということがわかっています。ぜひ話し合って、お互いに工夫し、納得いく形にしてみてください。
少しずつでも自分でコントロールできる時間を増やしていく
スマホとの付き合い方は、ゼロか100かではありません。大切なのは、少しずつでも自分でコントロールできる時間を増やしていくことです。今日すぐ完璧に変わらなくて大丈夫です。まずは30分でも1時間でも、「自分で使い方を変えられた」という感覚を積み重ねていくことが、抜け出す第一歩になります。