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公開日 : 2017/08/08

Q.英語の成績を底上げしたい

英語の成績を底上げしたいです。どうすればいいですか? (高2女子)
長期的目標を持って 基礎固めから取り組もう!

この方が回答してくださいました!

津田塾大学 学芸学部英文学科准教授
いながき よしのり
稲垣 善律 先生

津田塾大学学芸学部英文学科准教授。2009年東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻博士課程修了。学術博士。第二言語習得のメカニズムや、それに基づいた第二言語の学習法、教育法について研究。



勉強の質と量をチェック
 


 まずは、自分の勉強の質と量を見直すことから始めましょう。もし思うように力が伸びないとすれば、そのどちらかに問題があります。問題がどこにあるのかをつきとめ、改善することが大切です。  


 勉強の質、つまり「やり方」に関して特に重要なことは、自分の勉強を管理する「メタ認知」がきちんとできているかを確認するということです。目標や計画を立て、達成方法を考え、自分の努力行動を調整し、予定通りいかない時は目標や計画を修正する、といったメタ認知活動は、効率的な英語学習を長期間続けていくためには欠かせない要素であることが研究から明らかになっています。メタ認知をしっかり働かせ、自分の勉強を自分のものとしてきちんと管理していきましょう。  


 勉強の量についても確認が必要です。言うまでもなく、言語の習得には膨大な時間がかかります。英語を扱う速度や正確性をつけるためには、相当な量の英語に触れ、練習を積む必要があることを肝に銘じましょう。英語にたくさん触れることで、皆さんの頭の中に英語のデータがどんどん蓄えられていき、そのことが理解力と表現力を押し上げていきます。また、英語を実際に使う練習を繰り返すことで、最初は意識的に考えないと理解や表現ができないことも、次第に考えずともできるようになるのです。  



単語力と文法力を磨く  


 単語力と文法力は、英語のどのスキルを使う際にも必要となる極めて重要な力です。


 例えば、リーディングについて考えてみましょう。皆さんは長文読解で、「1文1文は何となく読めるのに、全部読み終えると何が書いてあったか覚えていない」という経験をしたことはありませんか? ごく簡単に言えば、リーディングとは、文中の各単語を認識し、文法に基づき文の意味を考え、流れに合うように解釈し、その解釈を記憶したまま次の文に進む、という作業を繰り返すプロセスです。そして、この一連の作業を担うワーキングメモリーの容量には限界があり、単語や文法の分析でつまずいてしまうとそこにその多くが割かれてしまい、意味の解釈や記憶が十分にできなくなります。つまり、単語や文法の力を高めることで、ワーキングメモリーへの余計な負担を減らし、意味の解釈や記憶が効率よくできるようになるのです。 



自分の「やる気」を管理する  


 英語力を高めるためには長期間の努力が必要であり、努力を続けていくには皆さん自身の心のパワー、すなわち「やる気」が不可欠です。それなしにはどんな教材、勉強法も役には立ちません。つまり、英語学習の成功のカギは「やる気」にあって、英語を学ぶ際にはこれを高める工夫をすることが重要です。  


 「やる気」を高めるためには、まずははっきりした目的意識が必要です。皆さんは一体何のために英語を勉強しているのでしょうか?

 

 もちろん、今は「受験のため」ということが大きいのかもしれません。しかし、そもそも大学入試の英語試験は、大学で学ぶための英語力があるかどうかを確かめるためにあります。今勉強しているのは受験のためだけでは決してなく、入学後に大学でしっかりと学ぶためでもあることを意識しましょう。そして、できればさらにその先、大学を卒業してから自分がどんなふうに英語を使って生きていきたいのかを考えるようにしましょう。そうすることで、英語の勉強を自分にとってより意味あるものとして捉えることができ、意欲的に取り組むことができるでしょう。 


 英語圏の人や文化に触れることも大切です。言語はそれを使う人々やその文化と密接に関わっています。人や文化に触れ興味を持つことで、その言語への興味もまた強まり、学ぶ意欲も高まります。有名人のSNSやインタビュー、あるいは英語圏の文学や歌、映画でも良いでしょう。まずはそうしたものにできるだけ自分から触れるようにしましょう。触れることが興味を育て、意欲を生むのです。



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