Q.自分は女性なのですが、男性になりたいと思っています。
この方が回答してくださいました!
ドイツで社会学、ジェンダー研究を学ぶ。博士(社会学)。現在はソーシャルメディア、AIなどデジタルメディア、デジタルテクノロジーにまつわる差異・格差の問題を研究。近著に「みる/みられるの政治学:視線・監視・ジェンダー」(『みる/みられるのメディア論』共著:ナカニシヤ出版)、「ジェンダーとメディア」(『クリティカル・ワード メディア論』共著:フィルムアート社)など。https://www.hiromitanaka.net/
打ち明けられないことが辛いのでしょうか。性別変更が容易ではないことが辛いのでしょうか。その両方でしょうか。
「男性になりたい」といっても「戸籍での性別を女性から男性に変更したい」場合だけでなく、「戸籍上の性別は女性のままでもいいけれど、外見は男性のようにしたい」、「男性になりたいけれども、将来子供を自分で産みたいと思うかもしれない」など様々なケースがあります。そのため、どのような男性になりたいのか、どういった性別移行をしたいのかを考えてみることが大切です。
今は辛いかもしれませんが、まずは自分自身に向き合い、自分自身が何を望んでいるかよく考えてみることも大切です。また日本の法制度についても調べてみてください(下記参照)。
日本の性別変更の条件は厳しい
現在、日本には「性同一性障害社特例法」という法律があります。この法律は戸籍上の性別を変更するにあたっての条件として20歳以上であること、結婚していないこと、子どもがいないことに加え、生殖機能の放棄と移行したい性別の身体に近い外観であることを求めています。特に性別適合手術の強制は人権侵害だとして見直しを求める声が上がっています。国際的には手術要件を緩和している国が増えているものの、日本ではまだ改正には至っていません。今後変わる可能性もありますので、手術を希望している場合は、もう少し様子を見るのが良いかもしれません。
性について柔軟に対応する学校は増えている
最近は、戸籍上は女性でも男子用の制服の着用を認める学校があります。普段の学校生活の中で男の子たちと同じ制服を着たり、同じように生活したりしたいと気持ちが強く固まっており、学校の先生の中に心から信頼できる人がいるのであれば、相談してみるのも一つの手です。