Q.ケアレスミスがどうしても減りません。ミスを防ぐ技術的な方法と、ミスをしても自信を失わないためのアドバイスをお願いします。
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都留文科大学国際教育学科元特任教授。20歳で学習塾を起業し、4500人以上を直接指導する傍ら、講演会等を含めこれまで5万人以上の子どもを指導。都内私立中高の教育改革にも携わる。「日本から勉強嫌いな子をひとり残らずなくしたい」との信念のもと、ママさん対象の勉強会「Mama Café」を全国で主催し、延べ1.5万人以上が参加。『東洋経済オンライン』の人気連載は累計1.3億PVを超え、音声メディアVoicyでは5年間毎日子育て相談を配信中。著書に『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』『子どもを育てる7つの原則』など、国内外で計44冊を出版。
「しっかり対策したはずなのに、ミスが減らない…」真面目な人ほど、そう悩んでしまいますよね。その原因は、家での勉強とテスト本番をごちゃ混ぜにしていることかもしれません。まず家での勉強は、目的を「理解」に絞りましょう。例えば数学で計算ミスをしても、解き方や考え方が合っていれば、正解扱いでいいのです。「また間違えた...」と責めてしまうと、自己肯定感が下がるだけ。プロセスを理解できたことを褒めれば、自信を育てる第1歩になりますよ。
テスト中にミスを「見つける」力は「7分の見直し」で伸ばせる
テスト本番は「人は最低3つはミスをする生き物だ」という前提で臨みましょう。ミスを初めからゼロにするのは、不可能です。だからこそ大切なのは、ミスを「防ぐ」のではなく、「発見する」力。試験時間が50分なら、最後の「7分」は見直す時間と決め、「きっと合っているから」とは油断せずに、「ミスを3個以上見つけてやる!」と間違い探しに挑むように見直してみましょう。このひと工夫こそが、合格を掴む鉄則なのです。
本番の緊張は模試で慣れ、親からの言葉は伝え方で乗りこなす
では、テスト本番特有の緊張感は、どうすれば乗り越えられるのでしょうか。それは、ピアノの発表会と同じで、リハーサルを重ねること。模試を何度も経験するうちに、本番の形式や雰囲気に慣れ、緊張しても実力を発揮できるようになります。
また、成績が振るわず親からの言葉に落ち込んでしまった時も、伝え方次第で乗り切れます。冷静な親なら「今はミスを発見する訓練中だから」と説明し、感情的な親であれば「次はもっと頑張る」と伝え、心の距離を上手に保ちましょう。
シャーペンをボールペンに持ち替えるだけで、計算ミスは減らせる
考え方や戦略を変えるのは、少し勇気がいるかもしれませんね。だからこそ1番手軽なことから。まずはボールペンに持ち替えて欲しいのです。ボールペンは、シャーペンとは違って簡単には消せないため、無意識に「書き間違えられない」と注意力が働き、計算ミスが自然と減っていくでしょう。さらに、芯が折れる時間や消しゴムを使う手間も省けて、スピードも上がりますよ。また、使い切った替え芯を集めていけば、あなたの努力が可視化され、「こんなに頑張ったんだ!」という確かな自信を育ててくれるのです。