Q.家のことを考えると、大学進学を諦めるしかないでしょうか
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早稲田大学大学院教育学研究科博士後期課程単位取得満期退学。千葉大学普遍教育センター助教、准教授を経て、2016年から千葉大学国際教養学部准教授。日本の奨学金制度・政策や教育機会の格差を解消するための制度・政策の在り方を研究している。教育社会学、教育行財政学、高等教育論を専門分野とする。
あなたが大学に行きたいという希望を持っているのであれば、私はぜひ、大学進学を目指してほしいと思います。大学という場所や大学時代にしかできない多くの経験をしてほしいためです。そのためにまずは諦めないで、どうやったら大学に行けるのか、情報集めをして考えてほしいと思います。
奨学金の仕組みを知ろう
現在多くの大学が、家庭の事情を考慮した奨学金や学費免除の制度を設置しています。まずは、情報収集から始めてみてください。それらの情報は、それぞれの大学のホームページや大学の説明会、オープンキャンパスなどで知ることができます。また、『全国“給付型”奨学金データブック』やさまざまな『受験案内』などの出版物、さまざまなインターネットのサイトでも大学の独自の奨学金について紹介されています。学校の先生に聞いてみることもよいと思います。
奨学金には国が運営しているものや、先ほど述べた大学独自のもの、また「あしなが奨学金」などの民間団体のものなど、数多くあります。国の奨学金は、日本学生支援機構が運営しているもので、給付型と貸与型があります。給付型は、家庭的事情で進学が難しい高校生のために、2017年に作られました。2018年度から本格的に実施されます。貸与型の奨学金は、無利子と有利子の二種類あります。日本学生支援機構の奨学金は日本の大学生の約半数の人が利用するほど浸透している奨学金です。
貸与型の奨学金であれば、大学を卒業した後に返済する義務があります。卒業した後に奨学金返済が経済的な負担となることもあります。そのため、毎月一定金額ずつ返済する制度(定額返還)とは別に、所得連動返還型奨学金という仕組みもできました。この仕組みは、就職した後の所得に合わせて奨学金を返済するもので、所得が低い状況でも返しやすい仕組みの奨学金です。
また地方創生の政策のもとで、都道府県や自治体が、地元の大学に進学した人や、地元で就職して一定期間働いた人には返済を不要とする貸与型奨学金もあります。そういった奨学金の選択を考える方法もあります。諦めることを前提に考える必要はありませんよ。