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公開日 : 2019/01/04

Q.自分と合わない人との接し方とは?

自分と合わない友達とどう付き合っていけばいいですか?その子は自分の話ばかりして私の話を全く聞いてくれないので、私は自分で話をしないようになりました。そうしたら、他の友達ともうまく話せなくなってしまいました。その子とは距離をとったほうがいいですか? (高2女子)
「身勝手な知り合い」の話を聞いてあげよう

この方が回答してくださいました!

早稲田大学大学院 教育学研究科高度教職実践専攻教授
まつもと よしゆき
松本 芳之 先生

早稲田大学大学院文学研究科心理学専攻後期課程退学。博士(文学)早稲田大学。帝京科学大学理工学部専任講師、同助教授、早稲田大学教育学部助教授、同教授を経て、2016年度より早稲田大学大学院教育学研究科高度教職実践専攻教授。『紛争解決の社会心理学』(共著:ナカニシヤ出版・1997)、『中学・高校版「総合的な学習の時間」教材研究』(分担執筆:学文社・2006)、『人間関係の心理学』(共著:誠信書房・2007)



だんだん物理的な距離をとっていきましょう


 「その子とは距離をとったほうがいいですか」と尋ねていますが、心理的距離はもう十分とっていると言えます。その意味で、すでに結論は出ています。


 となると、実際の接し方について尋ねているのかもしれません。しかし、これは必ずしも自分だけでは決められないところがあります。だんだんと距離をとっていくことができれば一番よいのですが、状況的に今後も接していかなくてはならないかもしれません。社会関係にはどうしても、そういった自分の思い通りに行かない側面があります。



話を聞いてあげると割り切る 


 そうだとしても、相手を変えることはできません。相手が変わるかどうかは相手次第で、これはどうこうできないのです。実際、この自分の話しかしない「身勝手な知り合い」は変わらないでしょう。そこで、変わらないことを前提として、自分に何ができ、どう対応すればよいかを考える必要があります。どうしても一緒にいなくてはならないときには、聞いてあげると割り切るのがよいと思います。


 こう考えることができれば、自分が関係をコントロールすることになります。人はみんな自分のことを話したいと思っていますから、聞き上手の人は好かれます。嫌われるのは、この「身勝手な知り合い」のような人の話を聞かない人です。


 この「身勝手な知り合い」は、あなただけでなく誰に対しても自分の話ばかりしているのではないでしょうか。もしそうなら、この人は、他者との関係を支配と服従で捉える自分中心の支配的な人、他者への配慮を欠く人と言えます。


「友達」という言葉に惑わされないように 


 他の友達ともうまく話せなくなってしまったということですが、それはこの「身勝手な知り合い」との関係がうまく処理できていないためです。自分の中で問題が解決したら、元通りにうまく話せるようになるでしょう。


 あなたは、「身勝手な知り合い」の支配的な言動に押し切られて、いわばあきらめてしまった状態にあると言えます。少し大げさに言うと、コミュニケーションに対して自分が影響力を持てなくなってしまったために、無力感を抱いている状態です。


 あなたの根本的な間違いは「友達」という言葉の使い方にあります。このような人を「友達」と表現してはいけません。「身勝手な知り合い」と呼ぶべきなのです。気づいているかと思いますが、私は一切「友達」という言い方をしていません。ここで「友達」という言葉を使ってしまうと、その言葉にとらわれて相手との適切な距離を見失い、やり取りの実態が見えなくなってしまいます。実際、あなたはもう、この人は本来の意味の「友達」ではないと考えているはずです。「身勝手な知り合い」の話を「聞いてあげる」と割り切りましょう。



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