Q.新学期新クラスがまだ発表されておらず、ぼっちになるのではないかという不安があります。
この方が回答してくださいました!
博士(臨床心理学)、臨床心理士 、 公認心理師。宮崎大学教育文化学部専任講師 、 スワスモア大学フルブライト研究員、マッコリー大学客員教授、トゥルク大学客員教授等を経て、2018年より現職。専門は臨床児童心理学。『教室の中の認知行動療法―不安で学級に入れない子がちょっぴりウキウキを見つけるために―』(明治図書)、『イラストでわかる子どもの認知行動療法―困ったときの解決スキル36―』(合同出版)等。
よく、人は最悪の事態を大げさに考えてしまいます。しかし、実際に「最悪」のことが起こる可能性は低く、逆に理想的な「最高」の状況も現実にはなかなか起こらないものです。たとえば、最高のクラスというのは、みんなが仲良くて、自分こそがみんなから大人気で、先生も完璧という非現実的なイメージだったりしますよね。一方で、最低のクラスを考えると、みんなが毎日喧嘩ばかりで先生もひどいというこれも極端な状況です。しかし、現実はそのどちらでもなく、その中間に落ち着くことがほとんどです。こうやって「最高」と「最悪」を具体的に想像すると、今の状況を冷静に見ることができるようになり、不安が和らぎますよ。
対人場面で完璧を求めすぎないで!
人と接するときに「失敗したくない」「みんなから好かれたい」と、つい完璧を目指してしまうことが多いと思います。特に、ぼっちになる不安がある人は、みんなに好かれなきゃいけないとか、うまく立ち回らなきゃいけないと自分にプレッシャーをかけがちです。しかし、実際は、全員と仲良くするのは不可能ですし、仲の良い人もいれば、あまり話さない人や気が合わない人がいるのも当たり前ですよね。そのため、対人場面で完璧を求めすぎず、もう少し自分に優しく、フェアに見てあげましょう。ちょっとした失敗や苦手な場面があっても、それが普通だと考えれば、もっと気が楽になるはずです。
自分の強みを探してみよう
対人関係や新しい環境で不安を感じるとき、自分の弱点ばかりに目がいってしまうことが多いですよね。しかし、人それぞれ必ず強みがあります。たとえば、話し上手でなくても人の話をじっくり聞けることも立派な強みですし、他の人が気づかない美しいものに気づける感性だって大きな魅力です。強みというのは、「みんなにウケる」ようなものだけではなくて、もっと個人的で自分らしいものも含まれます。自分が好きなことや、得意なことに注目してみると自信を持てるポイントが見つかるかもしれません。自分の強みを知ることで、自然と自分に合う仲間を見つけることができるかもしれませんよ。
聞き手側になるのが大切
新しい環境で友達を作ったり、上手にコミュニケーションを取ったりするために、つい自分から話を振って盛り上げなきゃと思ってしまうことがありますよね。しかし、実は無理に話し手になるより、聞き手に回る方がずっと簡単で効果的なんです。相手の話に興味を持って、何が好きなのか、どんなことに興味があるのかを聞くことで、自然と会話が広がります。質問をしたり、相手に共感して「私もそう思う!」とリアクションをしたりするだけで、安心感を与えて信頼関係を築くことができますよ。