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公開日 : 2019/04/10

Q.自分の考えを理解してくれる友達を見つけたいです。

学校で自分の考えを理解してくれる人がいません。どのようにすれば見つけられるでしょうか。 (高2男子)
互いに理解しようとすることが大事です

この方が回答してくださいました!

東洋大学 文学部教育学科教授
えのもと じゅんこ
榎本 淳子 先生

東京都生まれ。東洋大学文学部教育学科教授。博士(教育学)。専門は「発達心理学」、「臨床心理学」。青年期の友人関係の発達的変化について、また最近では慢性疾患のある成人患者の社会適応について研究をしています。



理解ってなんだろう
 


 そもそもどのようなものを理解というのか考えてみましょう。理解のあり方は人によって違うと思います。様々な理解のあり方があって、同じ意見を持つこと、つまりひとつのことを考えた時に「あ、わかる。そうだよね!」といった感覚が、友達同士で必要な「理解」なのでしょうか?


 友達というのは、違っているところが面白いということもあります。異なる家庭環境で、全く違う道のりで大学まで来て、大学で一緒になって、「私、わかる」ということがなかったとしても、「あ、そういう風に考えるんだ」「今まで自分にはそういう考えがなかったな。」と楽しめる。それだけでも、友達同士で必要な理解のあり方なのではないかなと思います。


 異なる考え方を尊重しつつ自分の意見をきちんと持ち、「あ、この人はこういう考えなんだな」「自分はこういう風に違うけれどもそれはどうしてなのかな」といったように考えを巡らせるところに、人と接する時の面白さがあるのではないでしょうか。



変化する友達


 小さい時の友人関係というのは、近所に住んでいたとか、一緒に帰ったとか、そのようにして友達になっていきますね。そして、小学校5、6年生ぐらいになると、自分が相手からどう見られているのか、例えば嫌われているのか好かれているのかということを意識し始めます。友達との付き合い方は少しずつ変わっていきます。 


 そして中学になると、同じものを持ったり、同じテレビを見てすごく盛り上がったり、同じというものの中で、互いが結びついていきます。それはおそらく、他者の目を通して自分がどう思われているのか理解できるようになってくるため、他者を意識しすぎて友達から外れるのが怖くなってしまうのでしょう。ですから、同じものを持ったり、同じ話題を話したりすることで、それが絆となって関係性を保っていこうとします。しかし、そのうち「自分」というものがはっきりとしてくるので、「同じ」という絆では息苦しさを感じてきてしまいます。そのため、高校生くらいから徐々に、人は全く同じではなく、違う者同士がわかり合おうとすることが重要なのだと気づき始めます。



自分も友達を理解しようとする


 逆に友達のことを自分はどれくらい理解しようとしているのか考えてみてください。自分にも、相手の考えをどの程度理解しようとしていますかということを問いかけないと、友達関係はなかなか成り立ち辛いかなと思います。「わかる!」という感覚は大事ですが、それだけが理解だと捉えようとすると、同じようにわかってくれる人でないと友達になれなくなってしまいます。けれども、「理解する」ということを、理解しようとする態度だとするならば、友達同士で互いに分かり合おうとする気持ちが大事になってきますね。


 しっかりと周りを見て、自分のことを理解しようとしてくれる人に気付き、自分も人を理解しようとしましょう。相手に理解してもらうことを受動的に待つだけではなく、自分が相手を理解しようとする態度の中に、互いを理解できる土壌が生まれてくると思います。そういう意味で、相互に相手を理解しようとすることが大事だと思います。 



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