Q.気が合う友達を見つけられず人見知りがなおらない
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筑波大学人間系心理学域・附属学校教育局 准教授。米国マサチューセッツ州スミス大学卒業。筑波大学大学院博士課程心理学研究科修了。博士(心理学)。公認心理師、学校心理師スーパーバイザー。東京成徳大学応用心理学部准教授を経て、2014年より現職。専門は、学校心理学、スクールカウンセリング。
気が合う友達を見つけるとき、類似性と補完性という二つの観点があります。類似性とは、趣味や嗜好性が自分と似ている、フィーリングが合うということで、補完性とは、趣味や嗜好性は異なるが、互いの良いところを認め合い助け合うことが出来ることを指します。
それぞれのタイプの友達にはそれぞれの良さがあると思います。類似性が高い友達は、説明しなくても気持ちが分かり合えるため、阿吽の呼吸のような関係を築きやすく、一緒にいて楽だと感じるかもしれません。一方、補完性が高い友達は、自分とは異なる世界や考えを持っているため刺激が多く、新しいことをたくさん学ぶことができます。
このような視点から考えたとき、友達になりたいと思う人はいるでしょうか?このように考えたときに友達になりたいと思う人がいれば、その人のことをさらによく知るために話をしてみて、自然に仲良くなっていくことができればベストだと思います。
人見知りは改善することができる
心理学の分野では、ソーシャルスキルという研究分野があります。ソーシャルスキルには主に3つのスキルがあり、興味を持って話しかける、会話を始める、会話を維持する、相手に質問をするといった「人と関係を作るスキル」、こまめに連絡を取る、相手の特徴を理解する、適度な距離感を維持するといった「関係を維持するスキル」、自分についてより深い話をする、相手が困っているときに話を聞く、誕生日にプレゼントを贈るといった「関係を発展させるスキル」に分けられます。
これらのソーシャルスキルは、ピアノや運動のように、練習することで高めることができます。そのため、家族や友達に相談し、練習するという方法は、ソーシャルスキルを高めて人見知りを改善するのに有効です。
人に相談するという選択肢
人見知りで困っているのであれば、スクールカウンセラーに相談してアドバイスをもらうことも検討していただきたいです。日本ではスクールカウンセラーの勤務が少なく、週に1度勤務しているかどうかという学校が多いため、まだなじみが薄いと思います。一方、私が通っていたアメリカの高校では16名ものスクールカウンセラーが常勤していました。
スクールカウンセラーは、学習面や進路のこと、学校生活についての悩みを聞く専門家であり、心理学の専門家なので、個々の性格や特徴に合わせたアドバイスをくれます。私もアメリカに行ったばかりの頃は、教科担任の先生と上手くいかないことがあった時など、話を聞いてもらって解決したことがありました。
大人になった時、人に相談できるということは、とても求められるスキルです。そのため、一人で抱え込まずに、専門家に相談してみることをオススメします。