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Q.他人と親しくできない

それなりに人と話すことはできますが、人と親しくなれません。どうしたらいいでしょうか。よろしくお願いします。 (高1女子)
大切なのは、相手を理解すること、そして勇気を持つこと

この方が回答してくださいました!

筑波大学 准教授
いいだ じゅんこ
飯田 順子 先生

筑波大学人間系心理学域・附属学校教育局 准教授。米国マサチューセッツ州スミス大学卒業。筑波大学大学院博士課程心理学研究科修了。博士(心理学)。公認心理師、学校心理師スーパーバイザー。東京成徳大学応用心理学部准教授を経て、2014年より現職。専門は、学校心理学、スクールカウンセリング。



他者理解と自己開示


 人と親しくなろうとするとき、相手に関心を持ち理解を深めていく他者理解という方法と、自分のことを積極的に話し、相手に自分を知ってもらう自己開示という方法があります。このうち自分の得意な方を生かし、それを磨いていくことが、人間関係を深めていくうえで有効です。


・他者理解

 相手が自分に関心を持ち、話を聞いてくれるということを悪く思う人はいません。人は誰でも承認欲求を持っているので、自分を認めてもらいたい、話を聞いてもらいたい、という思いを抱いています。そのため、相手の話を丁寧に聞くことで、好感を持ってもらえることは多いです。


 また、会話のきっかけとして、相手が何気なく言ったことを覚えておいて、後にその話題を振るという方法も有効です。例えば、友達が「来週部活の試合なんだ」と話していたら、それが終わったくらいのタイミングで、「試合どうだった?」と聞いてみるというように、相手に興味をもって話を聞いていくと、自然と会話の話題が増えていくと思います。ここで一つアドバイスをすると、相手がその話題について話したくなさそうな雰囲気を出している場合は、話を切り上げ、話題を変えるということもできると良いと思います。これをするためには、話をするときに相手をしっかり観察しておくことが必要となってきます。


・自己開示 

 自己開示は、自分の話を他の人に話すことを言います。自分のことを話す内容としては、テレビの話題や昨日食べたご飯の話などの当たり障りのない話、趣味の話や遊びの誘いなどの深い話、将来の夢や悩み、家族の話などのより深い話などといったように、いくつかのレベルがあります。浅いところから始まりますが、関係の深まりに沿って様々な話ができるようになっていきます。

 

 自己開示には、自己開示の返報性という言葉があります。自分が自己開示をすると、相手も自己開示をしやすくなるという相互作用を意味します。そのため、関係を深めたいときは、勇気を持って、これまで話してこなかったような少し深い話をしてみることで、距離を縮めることができるでしょう。


 自分の話をして否定されたらどうしようという怖さもあると思いますが、人間関係には一定のリスクはつき物です。そのリスクを超えることで、一生続く友人ができることもあるので、勇気を持って少し近づいてみるということも、人間関係を深めていくためには必要なステップです。



環境という要因


 人と親しくなれないとき、自分の問題と考えがちですが、環境が要因となっているということもあります。私もアメリカに住んでいたとき、言葉の自信のなさもあってなかなかアメリカ人と親しくなれずにいました。そんな自分を変えたいと思い、大学時代はアメリカからイギリスに留学しました。アメリカではなかなか友人ができなかったのですが、留学先のイギリスでは良い友人ができました。(不思議なことにその友人はアメリカ人でした)。きっかけは、その人が私に興味を持ってくれて、たくさん話しかけてくれたことでした。

 

 このように、環境が変わると人間関係も変わることがあります。人間関係で悩んでいるときは、長い目で見てください。特に高校では、クラスや部活などで人間関係が固定されやすいので、いったん固定された人間関係はなかなか変えにくいところもあるかもしれません。一方、大学では、みんなそれぞれ違う授業をとり、サークルやアルバイトなど人間関係を築く機会も増えます。今うまくいかなくても、その先で新たな出会いが待っているかもしれません。



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