Q.周囲の目や意見が気になって自分の意見を言えず、相手にすべて合わせてしまいます。自分の意見を伝えるためにはどうしたらいいでしょうか。
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早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。立正大学名誉教授、文学博士。また、日本ビジネス心理学会会長も務める。 早稲田大学で心理学を学んだ後、一貫して、対人心理学を研究。 当時日本において珍しかった、心理学者による対人や恋愛についての実証的恋愛心理学の研究がマスコミに注目され、「それいけ!ココロジー」などバラエティー番組に心理コメンテイターとして出演。また、バラエティー番組のみならず、数々のTV番組で心理学的事象や事件について、社会心理学的見地でコメントを行う。 その他、『イラストレート心理学入門』『心理分析ができる本』など対人心理学、社会心理学関係の啓蒙的著書を多数執筆。その数は、200冊を超える。 最近では、苦手な人間関係を克服する「あいづち対話法」の開発と普及に努め、対人関係に悩む現代のビジネスマンや学生などにコミュニケーションスキルを提示している。
相手に合わせられることはいいこと
相手の相手の意見に合わせることができるということは素晴らしいことだと思います。ですから、そんなに自分の意見を伝えなくてはいけないと思い悩むことはないと思います。 集団というのは、みんな一緒だということで成り立っています。特に日本人は他の人に反対をしたり、集団に反することをよく言ってしまったりする人は仲間外れにされやすい傾向にあります。相手に合わせるということが日本では特に重要なのです。
「あの人は空気が読めないな」などといいますよね。空気が読める人というのは、相手に合わせることができる人のことで、そういう人の方が好かれます。
いろんな意見を言って、言い合っていくうちで、その中で意見が一致したから、友達になるというのはアメリカ流の友達の作り方です。日本では最初はできるだけ自分の意見を言わず、相手にあわせて、だんだん仲良くなっていきます。ですから、あなたの行動は友達になっていくうえでとても大切なことで、この段階で相手と異なる自分の意見を積極的に言う必要はとりあえずないんです。
仲良くなると自分の意見が言いやすくなる
このような方法で仲良くなると、自然と自分の意見を言いやすくなってくると思います。 自己主張はもちろん大切ですが、言いすぎて友達に嫌われてしまっては元も子もありません。まずは仲良くなって、その中で、少しずつ自分の意見言うことから始めてみましょう。
イエス・バット法で言葉の印象を柔らかくしよう
そんな時、うまく自分の意見を伝える方法として「イエス・バット法」というものがあります。これは相手の意見をいったん「そうですね(イエス)」と肯定してから、「しかし(バット)」と自分の意見を伝える方法です。最初に自分の意見に同意しているわけですから、相手も受け入れやすくなります。最初から「私はそうは思わない」と反対してしまうと、相手は身構えてしまい、どんなに良い意見でも受け取られにくくなってしまいます。このような方法を取り入れながらうまく自分の気持ちを伝えてみてください。