勉強や学校の部活動でうまくいかないことがあると、家族に当たってしまいます。家族から「それは私には関係ないじゃん。」と言われ、自分が悪いとわかっているのに怒鳴ったりしてしまいます。私立学校の学費や予備校代など生活面で高いお金を出してもらっているのに恩を仇で返すことをしていて自分でも悲しくなってきます。どうすればいいでしょうか。 (高1女子)
親に八つ当たりするのではなくて同世代の人に打ち明けてみる
  
みやもと まきこ
宮本 まき子
先生

家族問題評論家・カウンセラー・エッセイスト 国立山梨大学非常勤講師・思春期保険相談士・有)オフィス・ミヤジン取締役 1947年生まれの団塊の世代。津田塾大学英文科アメリカ研究科卒。翻訳などの仕事をしながら、カウンセリングや交流分析を学ぶ。主婦の友社電話相談室に22年間勤務。1989年より執筆活動開始、99年より山梨大学非常勤講師、2004年に会社を設立した。雑誌、新聞へのコメント、コラム担当の他、時事通信社の書評欄を担当。テレビのワイドショー等でも本音を語るコメンテーターとして出演。男女共同参画、結婚問題、育児や思春期の親子関係、家族関係問題、ジェンダー、フェミニズムなどをテーマにしたシンポジウムや講演講師として全国を回る。「輝ける熟年」「そこが違うぞ あなたの子育て」「シャキッとしなさい 日本の親たち」「熟年離婚より孫育て」「自分も幸せになる姑道十カ条」「団塊の世代の孫育てのススメ」「孫ができたらまず読む本」など、著書多数。



「恩を仇で返している」なんて思う必要はない 


 あなたのような若い人の口から「親の恩を仇で返す」などという昭和期以前のセピア色のことわざを聞いてびっくりしました。あなたの思考の中にしっかり根付いているようなら、おそらく周りのおとなたちがこの言葉を繰り返し言ってきたのに違いありません。 


 例えばおじいちゃんやおばあちゃんに「親にこんなにお金を出してもらったのに恩知らずだ」となじられたとか、周囲のおとなたちがあなたの親御さんに気をつかって、「こんなによくしてもらったのだから、いまに恩返しするんですよ」みたいに説教したとか・・・。時には金勘定がしっかりしている親もいて、かけた費用は投資だから、利子付けて元を取ろうと期待し、いつもそれを匂わせているかもしれません。でも、子育てのポイントはお金の額の多い、少ないの問題ではありません。


 親が子供を育てるのは当たり前で、自然の行為です。高い授業料等を出しているのも、子育ての一環でよい教育を受けさせたいという動機からでしょう。子供が最終的に社会で自立してくれたら、その時点で「親の役割」は終わります。一般的には親が相対費用を返せとは言いませんが、「やれやれ、ひと苦労だったわ」ぐらいのぼやきはするかもしれませんね。 


 社会にでると「恩送り」という行動があります。ある人によくしてもらった、助けてもらってありがたかったと恩を感じたとき、その相手に「恩返し」をするのではなく、他の誰かに恩を送るという行為です。


  親によくしてもらったと感謝する人は自分の子にも同じようによくしようとします。私は出産直後にひどい歯痛で苦しんだとき、近所の方が赤ちゃんを預かってくれて歯医者に飛び込みました。お礼をしようとしたら、「私も昔、困っているときに子どもを預かってもらった。今日、恩送りができてよかったから、あなたも誰かに送ってね」と言われました。数年後、近所の方の入院でお子さんを預かって、私も恩送りしました。


  あなたは世間にでてから誰かを助けようと思えばいいので、いま、親の恩を仇で返すというのは考えすぎだと思います。 



同世代の事は同世代で解決 


 ただ、うまくいかないことを家族に当たってしまうのは悲しいことで、ちょっと幼稚っぽくありませんか?高校生になったら、あと少しで選挙権を得られる「一人前」に近いんですよ。八つ当たりは家族にではなく、友達にしてください。「同世代のことは同世代で解決」した方がいいです。特に学校の勉強や部活動の問題は同世代で解決するのが鉄則です。親とは世代が違うし、やってきたことも違うし、その時の発想も違います。だから、親と解決しようとすると大抵間違えます。これは逆のことを考えたらわかります。 


 もしも親が高校一年生のあなたにおとなの人間関係の悩みを相談してきたらどうでしょうか。社会経験が違うあなたが相談されても意味ないし、第一わからないでしょう。世代間格差といってそれぞれ発想が違ってくるんです。例えば「愛している」の言葉だと、同じ発言でも世代によって内容がズレすぎて話し合いにならないことが多い。だから、同世代のことは同世代の仲間や友人たちで解決することをオススメします。


  高校生だったら同級生や先輩などの同世代の人に泣いたりわめいたりしてでも打ち明けて、どうやって解決するのかを学んでください。それがたとえ悪い結果になったとしても、社会に出るための練習です。もしも親に当たり続けると、更に親子関係を悪くする恐れがあります。 


 または、親があなたの代わりに問題の解決法を考えてしまうかもしれません。それは社会生活のカンニングです。本当は自分が経験して覚えていかないといけないのに、前もって親が教えるわけです。これが楽チンと味をしめると、これからずっと解決を親に頼ることになります。これはやってはいけませんよ。これから先の長い人生で損しますし、世代間格差もあって大抵間違えるはずですから。



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