Q.うまく怒りをコントロールする方法を教えてほしいです
この方が回答してくださいました!
アンガーマネジメントコンサルタント。 怒りの感情と上手に付き合うための心理トレーニング「アンガーマネジメント」の日本の第一人者。 アンガーマネジメントの理論、技術をアメリカから導入し、教育現場から企業まで幅広く講演、企業研修、セミナー、コーチングなどを行っている。 ナショナルアンガーマネジメント協会では15 名しか選ばれていない最高ランクのトレーニングプロフェッショナルにアジア人としてただ一人選ばれている。 主な著書に『アンガーマネジメント入門』(朝日新聞出版)、『あなたのまわりの怒っている人図鑑』(飛鳥新社)等がある。 著作はアメリカ、中国、台湾、韓国、タイ、 ベトナムでも翻訳され累計 65 万部を超える。
心の中には、嫌な気持ちがいっぱい入るのか、良い気持ちがいっぱい入るのか、どちらかしかありません。では、どうしたらその嫌な気持ちを良い気持ちに変えられるのでしょうか?実は、嫌な気持ちを消そうとするのではなく、良い気持ちを増やすことが大切なのです。 一つの手段として、すごく機嫌が良い瞬間や、自分の状態が最高に良い瞬間を、五感で覚えておくという方法があります。これは、”Positive Moment”と言われるテクニックです。 例えば水泳で言うならば、泳いでいる最中の気持ちを、ではなくて、自分がゴールに着き、パッと掲示板を見たら自己ベストを更新していた「瞬間」。その瞬間を再現するというトレーニングをしてもらうといいと思います。 しかしイライラしたときに、嬉しかったことや楽しかったことをただ思い出したとしても、なかなかその気持ちを消すことは難しいと思います。だからこそ、ただ記憶で覚えるだけじゃなくって、五感を使ってその最高の状態を覚えておくことがポイントです。何が見えるのかとか、何が聞こえるかとか、触覚とか、においとか、「五感」を使って最高のイメージを覚えておき、再現するようにしましょう。
イライラは、ポイントカードみたいなもの、溜め込まないようにしよう
日頃からのイライラが溜まってしまい、時にはそのイライラが一気に爆発したり、掻き消せなくなってしまったりすることもあると思います。イライラは、ポイントカードみたいなものです。ずっと貯めていかないで、ポイントはその場で使い切っていくことが必要です。あなたにとって何か腹の立つことがあったのなら、溜め込まず、自分が怒っているよということをその都度伝えていくと良いと思います。 イライラを小出しに発散する方法として、「その場で相手に伝える」ということがおすすめです。ただ伝えるのではなく、気を付けなければいけないことは、あくまでも「その場の事実と自分の感情」を伝えるということです。
例えば、友達が待ち合わせに遅れてきたとします。約束の時間に遅れてきた、そしてあなたはそれが嫌だった、というのは、事実とあなたの気持ちです。それは相手に言っていいことです。ですが、友達が遅刻したことに対して、「だらしないから遅れるんじゃん」とは、言ってはダメです。なぜかというと、遅れたというのは事実だけど、だらしがないというのはその場の事実じゃないからです。相手の性格や人格までを攻撃しないようにしましょう。
あなたに合う良い方法を見つけてみて
世の中には、いろいろな方法論があります。今回紹介したPositive Momentも、その一つです。あなたが成長していく中で、あなたに合う良い方法を見つけることができれば、それが1番良いのではないかと思います。 ぜひ、良い瞬間を記憶することを意識的にトレーニングしてみてください。おのずと気持ちをポジティブな瞬間へ切り替えられるようになると思います。