Q.友達が会う度に嫌がらせをしてきます。私はどうしたら良いのでしょうか?
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北海道大学大学院文学研究科博士課程退学。札幌医科大学助手、山形大学教養部専任講師、助教授、北星学園大学文学部教授、大阪大学大学院人間科学研究科教授、2012年同大学名誉教授、東京未来大学学長を経て2018年度より現職。「しぐさのコミュニケーション」(サイエンス社)、「幸福を目指す対人社会心理学」(ナカニシヤ出版)等。
今までとは違う行動をとってみよう
友達にいじめられた時、返しづらくてただ耐えるだけになってしまう。しかし、これではいじめはなくなりませんよね。つまり、殴られたり蹴られたりした時に相手が「いつもと違う!」と感じるような対応をすれば良いのです。いじめる側は、ゲーム感覚でいじめをしています。それに対して、ただ耐えるだけの対応をすると「あ、いつものゲームだ」と認識されます。こうなると、いじめは繰り返されて、いじめられている方は徐々に心理的にも屈折していき、自信がなくなってしまいます。だから大事なのは、「相手の求めに応じない。いつものパターンを崩す。」ということなのです。いつもの帰り道は通らないとか、いつも通りのことをしないとか。そのようなことをやる必要があるのですが、中々それが難しいです。中学一年生ぐらいは個人差があるので、どのぐらい自我が発達してきているか、ということにもよります。
第三者の客観的な目
いじめを止める方法として、その状況を親、教師、先輩などの第三者に見てもらうことが必要です。「どういう構図になっているのか」「どういう仕掛けがあってどういう反応をしているのか」ということを見てもらい、アドバイスをもらうことが最善です。しかし、繰り返されるいじめによって、精神状況がかなり屈折している場合、その時はカウンセラーに相談する方が良いでしょう。中学校ですと、スクールカウンセラーが必ず配置されているはずなので、是非そういう人に相談してみて下さい。ただし、スクールカウンセラーは、大体来る日が決まっているので、すぐにコンタクトできなければ、担任なり養護教諭に相談するということが必要です。そのままの状況を、誰にも知らせず、言わないままでいたら、いつまでもいじめはなくならないのはもちろん、より深刻化してしまいます。
いじめる側は、そんなに大それた事だと思っていないのです。だから、今度はいじめる側に対して、「これは大変なことなのだ」ということを分からせる必要があります。中学校や高校では、年に一回や二回、いじめの防止のセミナーをやっているはずです。それでもここに質問しているわけですから、やはり専門家に相談すると良いのでしょう。まずは、本人がやれることを思い切ってやらなければなりません。私は「いじめられ役」ではないということをアピールし、その上で担任なり、養護教諭さんなりカウンセラーに相談することで解決出来ると思います。