Q.クラスに馴染めるか不安です。
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教育学部教授 専門は、学校心理学、特別支援教育、矯正教育 国際基督教大学卒業後、中学高校の教員を経験中に学校カウンセリングの必要性を感じて渡米。米国のコロンビア大学大学院にてカウンセリング心理学修士、博士号を修得。 帰国後、スクールカウンセラー、玉川大學人間学科助教授を経て、現職。 2000年代からは、法務省の委託を受け、矯正教育施設におけるアンガーマネージメントプログラムの計画、実践、効果検証を行っている。 公認心理師、臨床心理士、学校心理士、特別支援教育士SV
クラスに馴染めないと、朝や休み時間などがしんどいですよね。さて、このご相談には1つ目に高校2年生では同じようにならない方法を探すこと、2つ目に「自分にまた同じことが起こってしまうのでは」と怖くなる気持ちを変えたいという要素があるように思います。
1つ目の要素については、まず馴染めなかった理由を考えてみましょう。クラスが、オープンで一人ひとりが誰とでも話せる雰囲気だと馴染みやすいのですが、小グループに分かれていつも固定メンバーが集まっていると、後から入るのって居心地悪いですよね。そういう場合は、まず、リラックスしてクラス全体を見てみましょう。
気の合う人を探してみよう
せっかくお友達をつくるなら、気の合う人を見つけたほうがいいと思います。方法としては2つあります。1つ目は積極的に自分に合う人を探して、(ちょっと勇気がいりますが)自分から声をかけてみる方法です。その場合は、授業中の発言をしっかり聞いてみることから始めましょう。「この人、こういう意見を言うんだ」「私と似てるかも」「この人の感性いいなあ」という人を探してから、その人にさりげなく授業のことやプリントの内容などについて「質問があるんだけど、いいかな」と話しかけてみるのがいいでしょう。 もう1つは、消極的ですが、相手が来てくれるのを待つ方法です。休み時間に自分のお気に入りの本やグッズなどを机に置いて見せておいたり、カバンに付けておいたり。それを見て反応してくれる人がいたら、話をスタートしてみましょう。
素直な気持ちを認めてあげよう
2つ目の要素である、自分が「また」と怖くなる気持ちへの対応について紹介します。人間の脳はイメージしたことを再現してしまう傾向にあります。現実ではそうでなくても、自分の頭の中では体験しているわけなので、現実と一致させたくなっちゃうみたいなんですね。もし「マイナスのイメージ」が出てきたときは、深呼吸して緊張をほぐしてあげてください。そして、酸素をたくさん取り入れたら「大丈夫。ちゃんと気の合う友達を見つけてあげるからね。」と怖がっている自分に声をかけてあげてください。怖い気持ちを否定するのではなく(否定すると余計に怖がってしまいます)、「怖いよね」と受け止めた上で、具体策を考えて根拠のある「大丈夫」を伝えてあげましょう。