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公開日 : 2024/04/05

Q.なかなか人に心を開けなくて困っています。嫌な過去との向き合い方と、人との交流を楽しむにはどうすれば良いかを知りたいです。

なかなか人に心を開けなくて困っています。幼少期の親によるちょっとした身体的・精神的虐待(今は全然大丈夫なのでご安心ください!)が根本的な原因だと考えていますが、いつまでも昔のことを引きずったままだと、この先もずっと人と上手く関われないような気がして怖いです。嫌な過去との向き合い方と、人との交流を楽しむにはどうすれば良いかを知りたいです。 (高2・女性)
原因論から目的論に発想を転換しよう

この方が回答してくださいました!

明治大学 教授/教育学博士/臨床心理士
もろとみよしひこ
諸富祥彦 先生

1963年福岡県生まれ。 1986年筑波大学人間学類、1992年同大学院博士課程修了。英国イーストアングリア大学、米国トランスパーソナル心理学研究所客員研究員、千葉大学教育学部講師、助教授(11年)を経て、現在、明治大学文学部教授。教育学博士。 世界を変えるため、時代の精神(ニヒリズム)と 「格闘する思想家・心理療法家」(心理カウンセラー)。 日本トランスパーソナル学会会長、 日本カウンセリング学会理事 、日本カウンセリング学会認定カウンセラー会理事、日本教育カウンセラー協会理事。 教師を支える会代表、現場教師の作戦参謀。 臨床心理士、公認心理師、学会認定カウンセラー/スーパーヴァイザー、ガイダンスカウンセラー/スーパーヴァイザー、上級教育カウンセラー、学校心理士/スーパーヴァイザーなどの各資格を持つ。



原因論をやめよう


 物事がうまくいかないと、人はついその原因を探してしまいますよね。このような考え方を因果論や原因論といいます。あなたは、他人に心が開けない原因として、小さい頃に精神的・身体的虐待を受けたことだと考えていますよね。


 うまくいかない原因を過去から探そうとするのは悪い習慣です。「そんな過去を持っている自分は心を開くことができないんだ」という風に、自分自身の現状を否定し続けることになります。過去に固執してしまうと、新しく人生を切り拓くことができないので、まずは原因論的な考え方をやめましょう。



目的論に変えてみよう


 原因論の考え方をやめて、むしろ目的論的な考え方に転換していきましょう。目的論というのは、全てのことには意味や目的があり、それらを探求していこうとする考え方です。あなたの場合は「心を開けなくてつらいという気持ちは、自分に何を学べといっているのだろうか」という風に発想を変える必要があると思います。 「相手に心を開きたい」という気持ちに正直になって、一歩踏み出す勇気を持つように考え方を切り替えていくことが重要です。



イメージで会話のリハーサルをしよう


 心を開くために必要なのは、リハーサルをすることです。例えば、友達ともっと心を通わせたいと思ったとしましょう。その場合、まずはその人と心を通わせて話している場面をイメージしましょう。


 次に、リハーサルをしましょう。鏡を見ながらでも良いでしょう。鏡に映る自分を相手と見立てて、イメージだけでなく実際に言葉に出して心を開いて対話をしてみてください。 そのように練習をしないと、相手に心を開くのは勇気がいるし、時間がかかってしまうと思います。時間がかかることで、「また心を開けなかった」という思いが積み重なって自信を失う悪循環に陥りがちです。そのような悪循環に陥らないためにもリハーサルなどの準備をすることが大事にしていきましょう。



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