Q.部活にいじめてくる人がいてしんどいので、部活をやめようかと思っています。
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九州大学人間環境学研究院人間科学部門臨床心理学講座・教授。北海道医療大学臨床心理学専攻卒業、九州大学大学院人間環境学府博士後期課程修了。博士(心理学)。臨床心理士、公認心理師。鹿児島大学大学院臨床心理学研究科准教授を経て、2024年より現職。専門は、臨床心理学、スクールカウンセリング。
まず、こういうサイトに相談できたこと自体がすばらしいと思います。いじめを受けたときの対処はいろいろあります。我慢するのも一つの対処ですが、我慢だけだと次第に孤立してしまうことが心配です。本当はすごくしんどいのに周りからは平気そうに見えるといったように、本人の心の中の状態と周りから見た状態が違うことがあります。そのため、しんどいのであればしんどそうな表情をするといったように、自分の内側で感じていることをちょっとだけ表現してみてください。そうすることで、あなたが苦しんでいることに周りの人も気がつきやすくなり、助けを得やすくなります。
話せそうな人、3人位に相談してみよう
その上で、同じ部活の人や顧問ではない先生など、話せそうな人に話してみるのもすごくいいと思います。そうすることで、同じように嫌な思いをしている人と繋がることができるかもしれませんし、大人が味方になってくれるかもしれません。この人なら聞いてくれそうという人に気持ちを共有することで、だいぶ心強さが変わります。
どういった対処法があるかを一人で全部考えるのではなく、一緒に考えてもらうのはどうでしょうか。あなたが「この人なら」と思った大人であれば、あなたが話したことをちゃんと聞いてくれるでしょう。とはいえ、相手もその時電話がつながらないとか、忙しいとかあるかもしれません。ぜひ3人位は、トライしてみてもらえたらと思います。その結果、いじめが止まれば、あなたが部活をやめる必要はなくなるかもしれません。
頑張る対象を変えてみるのも一つの対処法
また違った視点で言うと、あなたは部活を休まずに頑張ってきたという事実があります。この事実は、あなたはモチベーションや支えがあれば一つの物事に長く取り組める能力を持っていることの表れです。部活をたとえ辞めることになっても、あなたはきっと別の何かに努力することができるでしょう。でもその前には、一旦休んで充電してみるのも良いと思います。休むと心身が回復して落ち着いたり、落ち着くことで視野が広がったり、休むことで得られるものは少なくありません。そして、回復した頑張ることができる力を何に使うか、それは周りではなく、あなたが決めることができます。