Q.目を合わせてコミュニケーションがとれません
この方が回答してくださいました!
北海道大学大学院文学研究科博士課程退学。札幌医科大学助手、山形大学教養部専任講師、助教授、北星学園大学文学部教授、大阪大学大学院人間科学研究科教授、2012年同大学名誉教授、東京未来大学学長を経て2018年度より現職。「しぐさのコミュニケーション」(サイエンス社)、「幸福を目指す対人社会心理学」(ナカニシヤ出版)等。
日頃、誰もがなにげなくコミュニケーションしていますが、実は意外と精密なメカニズムが働いているのです。ことば、視線、しぐさ、顔の表情、相手との距離など、随分多くの手段を駆使しています。そしてそのどれにもきちんとした意味があるのです。
相手があなたを見て、注意を向けているか、どのような表情か、しぐさなのか(自分の言ったことに賛同しているならば、にこやかな表情、うなずいているなど)が分かります。同様に、あなたの言ったことが相手によく伝わっていないならば、怪訝な表情をしていたり、首を傾げていたりしているかも知れません。さらに、あなたの意見に反対ならば、あなたの話を遮り、表情も険しくなることでしょう。このように、視線を向けるということはお互いをよく知るための手がかりをたくさん与えてくれます。
目を合わせることで自分の変化に気づいてもらえる!
目を合わせることにより得られた手がかりが、好ましい手がかりだけならば、嬉しく、会話も弾みますが、もしかしたら自分に対する懸念や反対する様子を読み取ってしまうかも知れません。目を合わせてコミュニケーションをすることは、文字通り、「両刃の剣」なのです。もしあなたがなんでも話し合える友達が欲しいのであれば視線を交えたコミュニケーションをしてみましょう。そうすることであなたが悩み、傷ついていることに気づいてもらえないかもしれません。
思い切って相手の顔を見てみよう
怖いかもしれませんが、思い切って相手の顔を見てみましょう。じっと相手の目をのぞき込み続ける必要はありません。時々でいいのです。最初は自分の話の合間、終わりにさらっと目を向けるだけでもかまいません。本来なら、相手が話している際にはできるだけ相手に視線を向けるのが好ましいのですが、それが難しく感じる人もいると思います。
ですからまずは、決して視線を避けているのではないのですよという意思表示をしましょう。そこから徐々に、相手に向ける視線が増えるはずです。相手に対して視線を向けることによって得るものがあると気づけるようになれば、次第に視線も増え、自然な会話ができるようになるでしょう。そうすると徐々に苦手意識も消えていくと思いますよ。