Q.担任団に相談しても、本人から言われないからいじめとは言えないし、注意もできないと言われました。どうすればいいでしょうか?
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近畿大学総合社会学部心理系専攻教授、近畿大学心理臨床・教育相談センター長。大阪外国語大学(現大阪大学)外国語学部卒業、京都教育大学大学院教育学研究科修了、名古屋大学大学院教育発達科学研究科修了。教育学修士、博士(心理学)。公立高等学校教諭、教育委員会研究主事兼指導主事、京都教育大学大学院連合教職実践科准教授を経て現職。
いじめとは?
いじめとは何を指すのでしょうか。「いじめ防止対策推進法」という法律があります。そこでは、「いじめ」とは、学校に一緒に通っているなど「一定の人的関係にある」他の児童生徒が行う「心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった」児童生徒が「心身の苦痛を感じているものをいう」とされています。また、学校や先生方には「学校に在籍する」児童生徒が「いじめを受けていると思われるときは、適切かつ迅速にこれに対処する」責任が定められています。
それで、あなたが相談に乗っている女子が「本気でいやになっている」のであれば、心身の苦痛を感じていることになります。また、先生方が本人から言われないのでいじめではないとおっしゃるのは間違っています。
「聴く」ことは力になります
あなたは、クラスの一人の女子がいじめられているのを目撃し、本人からも相談を受けているのですね。それでもいじめを止めることができずに困っている。担任団に相談しても本人から言われないからいじめとは言えないし、注意もできないと言われたのですね。あなたは、まず、その女子の話を聴いている、そのこと自体がその女子を支えています。あなたは、どうもしてやれません、と書いていますが、聴くことでちゃんと行動しています。また、担任団にも相談しています。しっかり手順を踏んでいます。
様々な相談口を利用しよう
いじめは、行ってはならないことです。それで、次の段階として校長先生や教頭先生に相談するのはいかがでしょうか。また、あなたが住んでいる都道府県また市町村の教育委員会にはいじめを相談する電話相談窓口やところによってはSNSを使った相談窓口があります。勇気をもってそうした相談窓口に相談してみることはいかがでしょうか。きっと身近なところで解決できるよう支援が得られると思います。