Q.うつ病と診断されました。うつ病の原因は考えすぎなことだと周りの人から指摘されました。どうしたらもっと楽観的に生きることができますか?
この方が回答してくださいました!
九州大学大学院人間環境学府博士課程単位取得退学。博士(心理学)。公認心理師、臨床心理士。専門は学校臨床心理学、教育相談。公立学校のスクールカウンセラーとして、子どものメンタルヘルス支援等にも携わる。
「楽観的に生きよう」と意識しすぎると、「考えすぎを完全にやめよう」と思ってしまいがちです。こういった極端な考え方は、ストレスになりやすい傾向にあります。0か100かという極端な考えをせず、バランスよく調整するのが良いでしょう。
まずは、「考えすぎることのメリット」という視点を持ってみることが大事です。例えば深く考えることで、うっかりミスを防げたり、周りの役に立てたりするなど、メリットもたくさんあるのです。そうしたメリットを知ったうえで、自分にとってちょうど良い思考のバランスをとれるようになるといいですね。
専門家の意見に頼ろう
「考えすぎ」という指摘が医師や心理職など専門家によるものかどうかも重要です。周囲の人が心配からかけてくれる言葉は、時に的外れなこともあるため、大きく影響されるのは改善に繋がりません。
「考えすぎ」がうつの原因になってしまっているのかは専門家の判断を仰ぐ必要があります。周りの方からの言葉を真に受けすぎないことが重要でしょう。
「気にしすぎないとき」に注目してみる
いつも気にしすぎてしまうのか、そうでない場面があるかどうかもポイントの1つです。気にしすぎない場面を見つめてみることで、回復のヒントを得られるかもしれません。
人間の脳は、マイナスなものに目が向きやすい傾向にあります。だからこそ、「気にしすぎないで済んだとき」にも意識を向けてみましょう。「気にしすぎないとき」がどのような場合なのか気づけると良いですね。
ソーシャルネットワークの質と広さが大事
これまで紹介した方法を実行するうえで重要なのが、「相談相手を確保すること」です。相談相手は家族や、様々な人付き合いの中から身近な友達がいればその友達、といった具合に、まずは身近な人から話してみましょう。
ただ、現実の身近な人間関係からは見つけられない方もいるでしょう。その場合は、SNSをあくまで一つの手段として持っておくのも良いかもしれません。ただ、犯罪に巻き込まれてしまうなどのリスクがあるのも知ったうえで使ってみてください。
もちろん、専門家は相談相手になりますから、ぜひ頼ってみて、改善のきっかけに利用してみてください。