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公開日 : 2024/07/19

Q.学校生活を過ごしてしていくうちに、今まで仲が良いと思っていた人たちと自分の価値観にギャップがあることに気がつき戸惑っています。

友人関係についてです。学校生活を過ごしてしていくうちに、今まで仲が良いと思っていた人たちと自分の価値観にギャップがあることに気がつき戸惑っています。新しい友達を作りたいのですが、もう今更新しい友達は作れそうもなく、既にグループが出来上がっています。毎日辛くて学校に行きたくないです。今後の学校生活をどのようにして乗り越えていけば良いでしょうか。 (高1・女性)
「なぜそう考える?」相手の内情を知って共感できる部分を探してみよう

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九州大学 教授
よしむらたかゆき
吉村隆之 先生

九州大学人間環境学研究院人間科学部門臨床心理学講座・教授。北海道医療大学臨床心理学専攻卒業、九州大学大学院人間環境学府博士後期課程修了。博士(心理学)。臨床心理士、公認心理師。鹿児島大学大学院臨床心理学研究科准教授を経て、2024年より現職。専門は、臨床心理学、スクールカウンセリング。



相手の価値観の背景にあるものを探ってみよう


 相手の価値観を受け入れられないというのは、誰しもが抱える悩みの一つと言えるでしょう。ただ闇雲に受け入れようとするのではなく、相手の価値観・考え方の背景にあるものに目を向けてみてください。どういう経緯でそういった価値観を持つようになったのかを知ることで、もしかしたら共感できる部分が見つかるかもしれません。また、共通の話題づくりのきっかけに繋がる可能性もあります。相手がどんな人間で、どういう経験を経て、現在の価値観に至ったのかを理解できると今より気持ちも整理がつくかもしれません。 



今のあなたを支えてくれているモノはなんだろう

 

 こういった辛い現状がありつつも、あなたは学校に通えています。簡単なことではありません。まずはそんな自分を褒めてあげましょう。そこで、なぜこれほど辛いのに学校に通えているのか、振り返ってみることをおススメします。つまり、あなたの心の支えになっているものに目を向けてほしいのです。それが学校の友人ではなく、先生なのかもしれませんし、あるいは趣味の合うインターネット上の知り合いなのかもしれません。その支えを大切にしてみましょう。その支えが人ならば、悩みを少し話してみましょう。悩みは解決しなくても、気持ちが変わるかもしれません。


  新たな支えを増やしてみるのも一つの選択肢です。例えば何か興味の持てそうな習い事やボランティアなどはないでしょうか?学校という限定されたコミュニティだけでなく、複数のコミュニティに属してみることで、気の合う友人を見つけられる可能性はグッと高まります。



勇気をだして今のグループから抜け出してみると新たな発見が…!? 


 「どんな手段を使っても、どんな行動をしてもこの人達とは合わない!」と感じるのであれば、勇気を出して一人でいる勇気を持ってみましょう。最初は一人でいることが、「ぼっち」に感じられて落ち着かないかもしれませんが、「無理に相手に合わせていた時よりも、一人の方が楽しい!」と感じる人は少なくありません。でも一人でいるということと、何かのために人とコミュニケーションを取るというのは矛盾しないので、話したい人が出てきたら話してみても良いと思います。いずれにしても、一人でいられたら、そういう瞬間の自分に自信を持って良いと思います。 


 それでも「あぁ、やっぱり一人は辛いな」と感じるようでしたら、どうして一人でいることが辛いのかを考えてみましょう。「あの子は一人ぼっちだ」というレッテルを貼られることが辛いのか、話し相手がいないのが辛いのか、理由は人それぞれだと思います。どうして一人でいることが辛いのかをはっきりさせることで、「何のために友人を作る必要があるのか」という目的がはっきりしてきます。そうすると、人との関わり方も見えてくるのかなと思います。



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