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【東進調査】社会人と高校生のデジタルスキルを比較 「プログラミング的思考力」等で高校生が社会人を上回る

目次

 東進ハイスクール・東進衛星予備校・東進デジタルユニバーシティを運営する株式会社ナガセは、2024年7月に開催した「全国統一高校生テスト」の決勝大会において「情報Ⅰ」科目を出題し、結果をもとに社会人と高校生のデジタルスキル比較調査を行いました。この結果、特にデータ活用などの分野において、社会人の正答率よりも高校生の正答率が高いことがわかりました。


1.20問中16問で「情報Ⅰ」世代の高校生が社会人を上回る

 今回の調査では、2024年6月に実施した「全国統一デジタルスキルテスト」と2024年7月の「全国統一高校生テスト」決勝大会の結果をもとに、企業のDX推進・IT開発関連部門に所属する社会人と高校生成績上位者とのデジタルスキルの比較分析を行いました。「全国統一デジタルスキルテスト」の問題のうち、高校履修科目である「情報Ⅰ」の学習範囲に該当する20問に着目し、その正答率を比較したところ、20問中16問で高校生の正答率が社会人を上回る結果となりました。 

表①


【出題の例】アルゴリズム(二分探索)の理解

 高校生の正答率は62.9%、社会人は37.7%に留まり、高校生が新課程「情報Ⅰ」で培ったデータ活用やプログラミング的思考の能力が、社会人に比べて高い水準にあることがわかります。

 本問では、方程式𝑓(𝑥)=0を近似的に解くための二分探索の手順に関する理解度を測っています。「情報Ⅰ」で二分探索を履修する目的は、効率的なアルゴリズムとデータ処理方法を通じて、論理的思考や問題解決能力、プログラミングスキルを養うことにあります。企業活動においても、アルゴリズムの設計やデータ処理の最適化などにおいて二分探索の概念は頻繁に用いられるものであり、デジタル人財にとって非常に重要な概念です。


問題11 関数f(x)に関する方程式f(x)=0を近似的に解くことを考える。xの値を正の数cの範囲で特定することを、方程式f(x)=0を近似的に解くと定義する。また、f(x)=0の解はa以上b以下であることがわかっており、f(x)は単調増加であるとする。方程式f(x)=0を近似的に解く流れ図のうち、空欄[ア]と[イ]に入る式として最も適切なものはどれか。

プログラミング問題


 プログラミング的思考力やデータ活用力といったスキルは、今後のデジタル社会で求められる基盤スキルです。これから社会へ羽ばたいていく高校生世代が持つこうしたスキルが、日本のデジタル競争力を加速させ、イノベーションを生む原動力となることが期待されます。


2.現役社会人世代はデジタル活用のロジック理解に課題

 一方で、今回のテスト結果は、現在の社会人が持つデジタルスキルの不足を浮き彫りにしました。社会人単独で見ると、特にアルゴリズム(二分探索)の理解、統計分析(偏差値の求め方、標準偏差の求め方)などデジタル活用における各手法のロジックに対する理解において低い正答率となりました。


表②

 アルゴリズムのロジックやプログラミング的思考を本質的に理解している人財は少数であり、社会人の継続的なスキル強化が課題であることがわかります。企業においても、こうしたスキルを持つ人財を育成・発掘し、適切に配置することが今後の競争力向上につながると考えられます。


3.「全国統一デジタルスキルテスト」のご案内

 東進デジタルユニバーシティでは、2024年11月に法人を対象とした統一テストの新ブランドである「全国統一デジタルスキルテスト」を開催いたします。本テストは、経済産業省が定める「デジタルスキル標準」に準拠し、企業のデジタルスキル向上・DX推進の強化を支援することを目的とした、全国規模のアセスメントです。本テストの活用で、組織全体のデジタルスキルの可視化・相対化と、潜在的なDX推進人財の発掘・育成が可能です。テストの受験、人財戦略プラン策定、実行のサイクルにより、連続的に人財強化を進めることができます。社員の皆様のデジタルスキルの可視化と向上のために、ぜひお役立てください。


<全国統一デジタルスキルテスト 実施概要>

◇対象者:企業に所属する全ての方(法人からのお申し込み限定です。)

◇実施日:2024年11月1日(金)~2024年11月30日(土) 期間中のいずれか1日

◇テスト時間:最大120分

◇受験方法:CBT(Computer Based Testing)方式

◇実施場所:全国のテストセンターまたは企業内施設

◇参加費用:5,500円(税込)/受験者

「全国統一デジタルスキルテスト」詳細:https://www.toshindigital.com/toitsutest/


※本調査は、2024年6月に実施された「全国統一デジタルスキルテスト」の受験者のうち「DX推進」「IT開発・運用」部門に所属する社会人の一部(n=526)を抽出し、2024年7月に実施された「全国統一高校生テスト」の成績上位者である決勝大会進出者(n=170)の成績と比較したものです。

※【出題の例】の正解はc。図は方程式𝑓(𝑥)=0を近似的に解くための二分法の手順を表しています。二分法は、解を含む区間を徐々に狭めて解を特定する手法です。

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