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生徒が自分の可能性を信じられる授業をしたい

稲垣満先生

物理とは、あたりまえの現象をあたりまえにとらえていく学問。だからこそ大切な“基礎”を徹底的に定着させられるように公式を一つひとつ丁寧に導出する授業を展開する。多くの指導経験から生徒のつまずきやすいポイントを熟知した稲垣先生の授業を受ければ、物理が苦手な生徒でも、単なる丸暗記ではなく物理現象を“しっかりと理解して”解けるようになる。

目次

幼少期の頃から片親で育った私の父は「私は父親というものがいなかったから、親としての振る舞い方がわからない」とよく私に言っていました。だからなのか父は、私のいかなる選択も受け入れてくれ、自由にやらせてくれました。叱られるより褒めてくれることの方が多かったのは、とても良かったと思います。一方の母はその対極の部分が強く、学校のテストの点が悪かったときには、烈火の如く怒るタイプでした。私にとっては、厳しい母親という印象でした。こんなふうに私は、相反する二つの価値観を持つ両親に育てられました。そのためか、「自分がやりたいことはあるけど、それをやると怒られるかもしれない」。「自分は特にやりたくないことだけれど、やらないと怒られるかもしれない」。そんなふうに考えることもありました。そんな思考の堂々巡りを何度も繰り返すと、自分のやろうとしていることが正しいのか正しくないのかがわからなくなり、混乱してしまうのです。子どもですから、自分で判断することができないのです。私がたどり着いた授業のやり方は、そんな私の幼少期の経験から生まれているかもしれません。

可能性を感じられる手助けをしたい

自分がいる環境や周囲の大人の意向に囚われて、マイナス思考に陥る生徒がいることは、講師をやっていて感じることがあります。まるで幼少期の私を見ているような気持ちになります。生徒には「自分の可能性を信じてほしい」とよく伝えています。現在の自分の成績だけを理由に行きたい大学や、将来就きたい職業などをあきらめてしまっている生徒を多く見かけますが、そんなことで自分の夢をあきらめないでほしいという気持ちが私にはあります。ただ、目標に向かって勉強に向き合えるようになるためには、まずはその一歩を踏み出す度胸が必要です。私は予備校講師として、「その一歩を踏み出す覚悟」を持つための手助けをしたいという強い想いを持って教壇に立っています。しかし、手助けというのは案外難しいものです。手助けというのは、頑張っている本人にとって「自分を信じるきっかけ」になっていなければならないからです。手助けをするときに振り返るのは、「優秀」と「落ちこぼれ」を行ったり来たりした自分の経験です。小学校の頃の私は成績がそこそこ優秀でした。進学塾に通っていたこともあり、中学校は名門と呼ばれる神奈川県の浅野中学に入学しました。しかし中学になると落ちこぼれました。浅野中学にはやはり優秀な生徒が多く、私の立ち位置は、スポーツはできるけど成績はイマイチという感じでした。それでも理系の勉強は得意で、特に数学の代数やベクトル、物理の成績はいつも良かったですね。数学では高校一年生の頃に学年1位を取ったことがありますが、総合的には成績は良くなかった。物理が好きで得意だったのですが、当時は物理で食べていく職業の選択肢も少なく、父の仕事にも近かった工学部建築学科に進学。大学院にもあ進んで研究を続けました。

人生の困難が、物理に戻るきっかけに

振り返ってみれば、私の人生は挫折の連続でした。中高はどちらかというと落ちこぼれ。大学院では博士課程まで進み、志を持って建築構造の研究をしていましたが、家庭の金銭的な事情で中退することになりました。大学院を中退した時点から同世代の人と競い合って何かが達成できそうなことといえば、ずっとアルバイトで働いていた塾講師でした。これが、私の講師になった理由です。そして、好きだった物理に戻ってこれた瞬間でもありました。まずは大手の予備校で一番上のクラスを担当することを目標にして頑張り、ようやく難関レベルの担当になったときに、社会で結果を出せたという気持ちになり、母校の教授に報告に行きました。自分にとっての「一区切り」がつき、それまでの自分の結果を出すことに一生懸命だった人生から一転、「教え子のために」という気持ちが生まれました。

自分を信じるための授業をしたい

私の授業を通して、生徒たちには価値のある受験勉強をさせてあげたいとずっと思っています。生徒の中には「わかる」「わからない」「楽しい」「つまらない」よりももっと前段階の生徒もいます。「そもそもどうすればいいかがわからない」という状態です。そんな生徒でも適切な環境を整え、まずは真似でもいいから「自分で手を動かすこと」を身につけさせることで、ものすごい勢いで伸びるということを何度も目にしています。上位の志望校に対して「目指せないのではないか」とか「憧れてはいるけれど…」と二の足を踏んでいる生徒たちに、自分の可能性を信じるための授業をしたい。それが私の生きがいです。

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