大学入試センター試験

センター試験 1日目解答

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センター試験 2日目解答

理科1

物理基礎 化学基礎 生物基礎 地学基礎 

数学1

数学I 数学I・数学A 

数学2

数学II 数学II・数学B 

理科2

物理 化学 生物 地学 

全体概観

例年通り第1問の小問集合、第2問の波動・電気、第3問の力学と、各分野からまんべんなく出題された。分野の偏りはなく、教科書の基本事項からの出題である。 


大問数
減少 | 変化なし | 増加  
設問数
減少 | 変化なし | 増加  
マーク数
減少 | 変化なし | 増加(+1)  
難易度
易化 | やや易化 | 昨年並み | やや難化 | 難化  

大問3題の構成で出題された。第1問の小問集合は、ばねの弾性力、摩擦による速度変化、電磁波の種類と周波数の序列、原子と放射線の基礎知識に関する正誤問題、比熱からの出題であった。原子と放射線の範囲からの出題は2015年以来である。

第2問は、Aが気柱の共鳴、Bが二つの抵抗と直流電源からなる回路に関する出題であり、設問ごとに異なる設定を用いて問われている。気柱の共鳴問題は現行課程において本試験では初めての出題である。

第3問は、Aが運動方程式およびエネルギーと仕事の関係に関する設問であり、Bが傾きの異なるなめらかな斜面をすべり落ちる二物体の運動の比較に関する問題であった。Aでは個々の物体に分けて考えることがポイントである。また、Bでは傾きによって到達時間は異なるが、到達速度の大きさは変わらないことがポイントである。Aでは2017年まで毎年出題されていたエネルギーの利用についても問2で問われている。また、Aの問題は2017年第3問Bとほぼ同じ設定の出題であった。
組合せ選択肢の問題は昨年より1問多い6問出題、またグラフの問題が1問出題された。昨年出題されなかったエネルギーとその利用は、小問集合での出題に加えて、第3問力学のなかで1問出題されている。

大問 出題分野 設問数 マーク数 配点
2019 第1問 小問集合 5 5 20
第2問 波動、電気 4 4 15
第3問 力学 4 5 15
2018 第1問 小問集合 5 5 20
第2問 波動、電気 4 4 15
第3問 力学 4 4 15
2017 第1問 小問集合 5 5 20
第2問 波動、電気 4 4 15
第3問 力学 4 4 15
2016 第1問 小問集合 5 5 20
第2問 波動、電気 4 4 15
第3問 力学 4 4 15
2015 第1問 小問集合 5 5 20
第2問 波動、電気 4 4 15
第3問 力学 4 4 15

過去の平均点の推移

2018 2017 2016 2015
31.32点 29.69点 34.37点 31.52点

設問別分析

【第1問】小問集合
第1問は、昨年同様に物理基礎のさまざまな分野を扱った小問集合であった。計算主体の昨年とは異なり、現象に関する正確な知識を問うものが増えた。
問1は「床から離れる」ということが「垂直抗力がゼロ」であると理解できていればフックの法則で解答できる。
問2は、なめらかな面では等速度運動、摩擦のある面では加速度が負の等加速度運動であることを把握し、それぞれの場合の速度変化がどのように表現されるか理解できていれば解答できる。
問3は、電磁波の周波数に関する分類問題であり、知識問題であった。
問4は、原子と放射線に関する正確な知識が問われる問題となっている。最も適切である解答がぼんやりとした表現になっているため、別の選択肢の誤りをすべて指摘できなければ正答は難しい。
問5は、電力と比熱の定義を理解していれば解答できる基本的な問題である。

【第2問】波動、電気
Aは気柱の共鳴に関する問題であった。気柱の共鳴は現行課程の本試験では初めての出題である。そのかわりに、現行課程の本試験では初めて正弦波のグラフを用いた問題が出題されなかった。
問1は、共鳴時の管内での定常波の図が描ければ解答できる。
問2は、ヘリウムガスによって音速が大きくなっても定常波が生じる音波の波長は変わらないことがわかっていれば解答できる。
Bは二つの抵抗と直流電源からなる回路に関する出題であった。
問3は、この回路が並列回路であることがわかるかどうかがポイントであった。回路図を自分で描けるよう学習することが重要である。
問4は、抵抗値が長さに比例し断面積に反比例する、また抵抗に流れる電流の大きさが同じとき消費電力は抵抗値に比例する、という電気抵抗に関する基本事項が理解できていれば解答できる。

【第3問】力学
Aは運動方程式とエネルギーと仕事の関係に関する出題であった。ほぼ同じ設定の問題が2017年度第3問Bでも出題されている。
問1では、個々の力について「何が何を引く力であるのか」を把握すること、そして「どの物体について運動方程式を立てているのか」を明確にして、物体ごとに整理する力が問われている。
問2でも、エネルギーに関して物体ごとに整理する力が求められており、物理基礎でよく出題されているエネルギーの分類に関する問いも加えられている。
Bは同じ高度から傾きの異なる斜面をすべる2つの物体の運動に関する出題であった。斜面等をすべり下りる場合、一般に摩擦がなければ、エネルギー保存則より到達速度の大きさは等しくなる。一方で、到達時間は傾斜が急であるほど短い。このことはよく知られているので計算せずとも解答出来る受験生も多いだろう。
問3は、傾斜角度をθとおいて、垂直抗力と到達時間を実際に計算してみることで確認すると良い。
問4は、仕事の定義を理解していれば、計算せずとも解答できる。運動の方向に垂直な力は仕事をしないことを理解しているかが直接問われ、物理法則の正確な理解が求められた。
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