大学入試センター試験

センター試験 1日目解答

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センター試験 2日目解答

理科1

物理基礎 化学基礎 生物基礎 地学基礎 

数学1

数学I 数学I・数学A 

数学2

数学II 数学II・数学B 

理科2

物理 化学 生物 地学 

全体概観

出題分野が2016年以前の構成に戻り、第3問ではドップラー効果と単振動を組み合わせた問題が出題された。 


大問数
減少 | 変化なし | 増加  
設問数
減少(-2) | 変化なし | 増加  
マーク数
減少(-1) | 変化なし | 増加  
難易度
易化 | やや易化 | 昨年並み | やや難化 | 難化  

昨年と同様に大問数は6題で、分野は第1問が小問集合、第2問が電磁気、第3問が波動、第4問が力学、第5問が熱力学、第6問が原子物理であり、第5問と第6問が選択問題であった。すべての範囲からまんべんなく出題されている。昨年は力学が選択問題であったが、今年度は2016年以前と同様に熱力学が選択問題となり、力学はすべて必答問題となった。

第3問Bで出題された音源が単振動するときのドップラー効果のように見慣れない設定の問題もあったが、落ち着いて考えれば決して難しくはない。第3問は波動からの出題だがこの問題でも力学の知識が必要であり、物理では力学が特に重要であると再認識する出題内容であった。

第1問の小問集合では、運動エネルギーと運動量に関する正誤問題、2つの点電荷による電場の重ね合わせ、凸レンズ、シリンダーに封入された理想気体、ばねに取り付けられた小球の単振動の周期が出題された。
第2問の電磁気では、Aが半導体ダイオードに関しての出題で、半導体ダイオードの原理と半導体ダイオードを含む電気回路が扱われている。問2の設問は2015年の問題を応用した問題であった。Bは平行レール上を移動する導体棒の電磁誘導からの出題であり、2年連続で電磁誘導が出題された。
第3問の波動では、Aが光の屈折と干渉、Bでは音源が単振動するときのドップラー効果が出題されている。Aでは設問2問とも文章穴埋め問題が出題されており、問われている内容や設定を的確に把握することが求められている。
第4問は力学の出題で、Aは一定の加速度で動く電車内での、つるされたおもりと静かに放すボールの運動を扱い、慣性力に関する基本事項の理解について問われた。Bは糸につながれた小球の鉛直面内の円運動から出題された。
第5問の熱力学は、熱サイクルから出題され、問題でp-V図が与えられていた。問3ではp-T図への変換が出題されている。
第6問の原子物理では、X線発生装置(X線管)でのX線の発生を題材に、X線に関する基本事項が出題されている。

年度 大問 出題分野 設問数 マーク数 配点
2019 第1問 小問集合 5 5 25
第2問 電磁気 4 4 20
第3問 波動 4 6 20
第4問 力学 4 4 20
第5問 1問 選択 熱力学 3 3 15
第6問 原子物理 3 3 15
2018 第1問 小問集合 5 5 25
第2問 電磁気 4 4 20
第3問 波動 5 6 20
第4問 力学、熱力学 5 5 20
第5問 1問 選択 力学 3 3 15
第6問 原子物理 3 3 15
2017 第1問 小問集合 5 5 25
第2問 電磁気 4 5 20
第3問 波動、熱力学 5 5 20
第4問 力学 5 5 20
第5問 1問 選択 波動 3 3 15
第6問 原子物理 3 3 15
2016 第1問 小問集合 5 5 20
第2問 電磁気 4 5 25
第3問 波動 4 4 20
第4問 力学 4 4 20
第5問 1問選択 熱力学 3 3 15
第6問 原子物理 3 3 15
2015 第1問 小問集合 5 5 20
第2問 電磁気 4 4 20
第3問 波動 4 4 20
第4問 力学 5 5 25
第5問 1問選択 熱力学 3 3 15
第6問 原子物理 3 3 15

過去の平均点の推移

2018 2017 2016 2015
62.42点 62.88点 61.70点 64.31点

設問別分析

【第1問】小問集合
問1では、運動エネルギーと運動量に関する知識があるかどうかで差がつく。
問2では、x=2d で電場が打ち消し合うことから立式する。
問3では、倍率が1.0倍のとき、レンズとスクリーンの距離、レンズと物体の距離の関係がどうなるかを考える。
問4では、まずピストンにはたらく力のつりあいを考える。
問5では、ばねの単振動の周期は質量とばね定数から求められることを用いる。


【第2問】電磁気
Aはダイオードを含む回路についての出題である。
問1では、ダイオードに電流が流れる原理を覚えているかどうかで差がつく。
問2では、リード文にあるように半導体Aから半導体Bへの電流しか流れない。このことから、グラフを選択する。

Bは磁場中にある導体棒に電流が流れたときにはたらく力についての出題である。
問3では、導体棒に流れる電流を求めれば、磁場から導体棒を流れる電流にはたらく力の大きさが求められる。
問4では、導体棒が等速度になるとき、導体棒に電流が流れなくなり、磁場から力がはたらかない。


【第3問】波動
Aは薄膜や透明な壁による光の屈折に関する問題である。
問1では、空欄1はどの部分の光学距離が等しいかを考えて計算し、空欄2は位相の変化を考慮して、光の干渉条件の式を立てる。
問2では、図2から「透明な板から境界面への入射角」と「境界面から空気への屈折角」のうち、どちらの方が大きいかを読みとり、図3にあてはめて考える。

Bは単振動する音源によるドップラー効果に関する問題である。
問3では、選択肢にcosがないのでどうすればsinで表せるかを考えて、図5のグラフを式で表す。
問4では、ドップラー効果で音が最も高くなるときの音源の速度の向きや大きさを考え、P、Q、R、Sのうちどの点かを選択する。


【第4問】力学
Aは減速する電車内での慣性力に関する問題であった。
問1では、電車内の少年から見て、慣性力も含めたおもりの力のつりあいを考える。
問2では、ボールを静かに放すので、電車内の少年から見ると合力の向きにボールは等加速度直線運動を行う。

Bは鉛直面内で円運動をする小球に関する問題であった。
問3では、力学的エネルギー保存則から、運動エネルギーの変化を考える。
問4では、β=90°のときの小球の速さを求めて、円運動の運動方程式を立てる。


【第5問(選択)】熱力学
気体の定積変化と定圧変化に関する問題である。
問1では、アは過程A→Bでの温度変化の正負を求めれば、気体の内部エネルギーの正負がわかる。イは気体が外部にする仕事が0であることと熱力学第1法則から考える。
問2では、グラフで囲まれた面積が1サイクルで気体が外部にした仕事に等しい。
問3では、ボイル・シャルルの法則より、定積変化では圧力と絶対温度は比例し、定圧変化では圧力が一定であることから選択する。


【第6問(選択)】原子
X線スペクトルに関する問題である。
問1では、アは静電気力による位置エネルギーの変化がすべて運動エネルギーになると考え、イは運動エネルギーがすべてX線のエネルギーになると考える。
問2では、ウは元素特有のX線の名称を選び、エは電子のエネルギー準位の差を考える。
問3では、オは加速電圧が等しいときにX線の最短波長がどうなるかを考え、同じ金属からX線が発生するとき、特性X線の波長がどうなるかを考える。
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