大学入試センター試験

センター試験 1日目解答

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センター試験 2日目解答

理科1

物理基礎 化学基礎 生物基礎 地学基礎 

数学1

数学I 数学I・数学A 

数学2

数学II 数学II・数学B 

理科2

物理 化学 生物 地学 

全体概観

第6問・第7問のうち、いずれか1問を選択。大問数は6題、マーク数は29。出題形式に昨年度から大きな変更はなかった。  


大問数
減少 | 変化なし | 増加  
設問数
減少 | 変化なし | 増加  
マーク数
減少 | 変化なし | 増加(+1)  
難易度
易化 | やや易化 | 昨年並み | やや難化 | 難化  

大問数は昨年と変わらず6題で、第6問・第7問のうち、いずれか1問を選択する形式も昨年と同様であった。また、昨年と比べて小問数は25で変化なかったが、マーク数は29で増加した。第2問の問3、第3問の問5、第5問の問1、第7問の問2など、グラフや分布図が表す内容を読み取って解答する必要がある問題の割合が高かった。また、計算問題が12題と昨年よりも増加し、解答を導くまでの過程が長いものも含まれていたため、時間内に解き終えるのは相当なスピードが必要であった。昨年と比べると、全体的にやや難化した。

年度 大問 出題分野 設問数 マーク数 配点
2019 第1問 物質の構造・状態 6 7 24
第2問 物質の変化と平衡 5 6 24
第3問 無機物質 5 6 23
第4問 有機化合物 5 6 19
第5問 高分子化合物 2 2 5
第6問 1問 選択 合成高分子化合物 2 2 5
第7問 天然高分子化合物 2 2 5
2018 第1問 物質の構造・状態 6 6 24
第2問 物質の変化と平衡 5 6 24
第3問 無機物質 5 6 23
第4問 有機化合物 5 6 19
第5問 高分子化合物 2 2 5
第6問 1問 選択 合成高分子化合物 2 2 5
第7問 天然高分子化合物 2 2 5
2017 第1問 物質の構造・状態 6 8 24
第2問 物質の変化と平衡 6 7 24
第3問 無機物質 6 7 24
第4問 有機化合物 5 9 19
第5問 高分子化合物 2 2 4
第6問 1問 選択 合成高分子化合物 2 2 5
第7問 天然高分子化合物 2 2 5
2016 第1問 物質の構造・状態 6 6 23
第2問 物質の変化と平衡 6 6 23
第3問 無機物質 6 8 23
第4問 有機化合物 5 5 19
第5問 高分子化合物 2 2 6
第6問 1問 選択 合成高分子化合物 2 3 6
第7問 天然高分子化合物 2 2 6
2015 第1問 物質の構造・状態 6 6 23
第2問 物質の変化と平衡 5 6 23
第3問 無機物質 6 7 23
第4問 有機化合物 6 7 22
第5問 1問 選択 合成高分子化合物 3 3 9
第6問 天然高分子化合物 3 3 9

過去の平均点の推移

2018 2017 2016 2015
60.57点 51.94点 54.48点 62.50点

設問別分析

【第1問】物質の構造
問1 a 共有結合をもたない物質、b 固体状態で電気をよく通す物質を選ぶ問題。選択肢は見慣れた物質ばかりであり、平易である。

問2 ダイヤモンドの密度を表す式を求める問題。単位格子を用いて結晶の密度を求める問題は頻出である。ダイヤモンドの結晶の単位格子に関する問題を解いたことがあれば素早く解答できるが、初見の受験者は単位格子に含まれる原子の数を数えるのに時間を要したと思われる。

問3 分子間にはたらく引力に関する記述の正誤問題。分子間力の強弱と沸点の高低の関係が理解できていれば解答できる。

問4 揮発性の物質の分子量を求める問題。本来、この問題で行っている実験は奥が深く、ハイレベルな問題として扱われることも多いが、この問題では与えられた条件から簡潔に分子量を求めることができるため、無理なく解答できた受験者が多いのではないだろうか。

問5 溶解に関する記述の正誤問題。極性物質は極性溶媒に溶けやすく、無極性物質は無極性溶媒に溶けやすいといった現象をきちんと理解できていたかがポイントである。

問6 気体の溶解に関する問題。与えられた酸素の溶解度をもとに、ヘンリーの法則を用いて、水に溶けている酸素の質量を求めればよい。酸素の圧力と水の体積に注目して計算できたかがポイントである。


【第2問】物質の変化と平衡
問1 結合エネルギーに関する問題。近年のセンター試験では、エネルギー図を用いた出題はあまり見られなかったため、戸惑った受験者も多かったと思われる。H2O2(気)の生成熱が正の値であることに注目して、各物質がもつエネルギーの大小を判断できたかがポイントである。 

問2 化学平衡の法則に関する問題。濃度平衡定数を正反応の速度定数k1と逆反応の速度定数k2から求められれば、無理なく解答できる。

問3 溶解度積に関する問題。図2から塩化銀の溶解度積Kspを求め、その値をもとに沈殿の有無を判断する必要がある。また、表2に与えられた濃度は混合前のものであり、混合後は濃度が半分になることを意識できていたかもポイントである。

問4 銅の電解精錬に関する問題。a 粗銅に不純物として含まれる金属が、イオンとなって水溶液中に溶け出すか、陽極泥として沈殿するかは、イオン化傾向が銅よりも大きいか小さいかで判断できる。b 析出した銅の質量から、流れた電子の物質量を求め、さらに流れた電気量を求めれば解答できる。

問5 物質の溶解後の水温を表す式を求める問題。硝酸アンモニウムの水への溶解は吸熱過程であるため、文字式を用いて温度変化を表し、それをもとの水温から引く必要がある。


【第3問】無機物質
問1 身のまわりの無機物質に関する記述の正誤問題。鉄の製造で得られる銑鉄と鋼の違いが整理できていたかがポイントである。

問2 アルカリ金属とアルカリ土類金属に共通する性質を選ぶ問題。アルカリ金属とアルカリ土類金属は共通の性質も多い一方で、これらの元素を含む塩の水に対する溶解性は大きく異なるものが多い。両者の共通する性質と異なる性質がきちんと整理できていたかがポイントである。

問3 錯イオンに関する記述の正誤問題。一般に、錯イオンの形は配位数によって決まり、配位数が4の錯イオンの多くは正四面体形である。しかし、例外で正方形であるものも存在するため、よく出てくる錯イオンの形をきちんと整理できていたかがポイントである。

問4 硝酸の工業的製法(オストワルト法)に関する問題。a 反応