Q.友達がおらず、学校も楽しくありません。
この方が回答してくださいました!
神戸大学大学院人間発達環境学研究科博士後期課程修了。立命館大学教育開発推進機構講師等を経て2015年に鳥取大学着任。博士(学術)/公認心理師。これまで、適応指導教室指導員、特別支援教育巡回相談員を務め、現在はスクールカウンセラーも務めている。専門は学校臨床心理学。主に学校における児童生徒の適応および学校等での心理教育について研究を行っている。
友達は作るものではなく、結果的に出来るもの
「親しいクラスメイトはいるものの友だちがぜんぜんできません」ということは、“親しいクラスメイト”と“友だち”は違うと考えているのですね。親しいクラスメイトというのは、それなりに一緒に過ごすけれども深い話はしないような関係で、友だちというのは深い話もできるような関係と言えるでしょうか。
友だちを作ろうとして友だちになる場合、無理に相手に合わせたり、自分の本心を隠したりする必要が出てきてしまいます。それでは、結局“親しいクラスメイト”しかできませんね。むしろ、“友だち”とは作ろうとするものではなく、結果的にできるものと思った方がいいかもしれません。
自分の好きなことを追求してみよう
その意味で、友だちを作ろうとするのではなく、自分の好きなもの興味のあるものをとことん追求するというのはいかがでしょうか。たとえ一般的ではない趣味であっても同じ趣味をもつ人はいるものです。クラス内、学校内にいなくても、今はインターネット等を通して共通の趣味をもつ人を見つけることはさほど難しいことではありません。
好きなもの、興味のあるものが同じであれば、無理に相手に合わせたり、自分の本心を隠したりする必要もありません。それが“親しいクラスメイト”ではなく、“友だち”といえる存在なのではないでしょうか。
友達がいないことを馬鹿にされないためには
とはいえ、もし学外に友だちができても、やっぱり学内でも友だちがいないことを馬鹿にされたくはないですよね。それであれば、学内では親しいクラスメイトと一緒にいればいいと思います。周りから馬鹿にされることを防ぐための隠れ蓑であれば、それで十分です。もちろん、一緒にいるうちに共通する趣味をみつけて友だちになれるかもしれません。
実は周りの同級生も“友だち”がいる人は少ないのかもしれません。みんな親しいクラスメイトと一緒にいて、さも友だちがいるように装っているだけなのかもしれません。同じように、学校が本当に楽しいと思っている人もそんなに多くはないのではないでしょうか。学校外でも同じ趣味をもつ友だちを見つけられたら、「学校は勉強するところ」と割り切って過ごせるかもしれません。