大学入試センター試験

センター試験 1日目解答

地理歴史

世界史B 世界史A 日本史B 日本史A 地理B 地理A 

公民

現代社会 倫理 政治・経済 倫理、政治・経済

国語

国語 

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センター試験 2日目解答

理科1

物理基礎 化学基礎 生物基礎 地学基礎 

数学1

数学I 数学I・数学A 

数学2

数学II 数学II・数学B 

理科2

物理 化学 生物 地学 

全体概観

近代文化史の出題が増加。図版をともなう設問は出題なし。  


難易度
易化 | やや易化 | 昨年並み | やや難化 | 難化  

出題形式
大問数5題、設問数32問はともに昨年度と同じであり、日本史Bとの共通問題の配置(第2問・第4問)も変更なしであった。過去問研究に力を入れていれば、比較的解答しやすかったと思われる。
過去3年間の日本史Aの問題は、図版・絵画の視覚教材をともなう出題が定番であったが、今年度は図版・絵画をともなう問題はみられなかった。近現代重視の日本史Aの傾向は踏襲され、自然科学や近代文化の出題が増加した。オリンピックや、2018年夏に節目を迎える高校野球の話題など、社会的関心が高い話題に関連した出題もみられた。
出題形式は、例年通り空欄補充問題・年代整序問題・正誤組合せ問題などがバランス良く出題されていたが、2文正誤問題が減少した。地図や表は出題されていたが、図版・絵画が皆無であったことから、より解きやすく感じたであろう。 出題範囲は近世後期から戦後まで幅広く、戦後は昨年同様に1980年代にまで及んでいた。
分野は政治・外交・社会・経済・文化と満遍なく出題されていたが、政治史の出題が減り、外交史の出題が増加した。また、近代は自然科学・文学・思想・言論と受験生にとってはやや苦手な範囲が目立ったが、設問自体は基礎力の重視が要求されていた。

年度

大問

出題分野

設問数

マーク数

配点

2018

第1問

紙幣に描かれた肖像・経済政策(会話文)

6

6

20

第2問

幕末から明治維新にかけての軍制改革と西洋医学

4

4

12

第3問

近世後期から近代における言論活動や表現活動

6

6

19

第4問

石橋湛山

8

8

24

第5問

近現代日本の流通業

8

8

25

2017

第1問

妖怪と現代科学(会話文)

6

6

20

第2問

幕末から明治期の大坂(大阪)

4

4

12

第3問

政治家 三島通庸

6

6

19

第4問

近現代の公園

8

8

24

第5問

昭和期の経済・社会

8

8

25

2016

第1問

近代日本における洋装(会話文)

6

6

20

第2問

明治期の地方制度

4

4

12

第3問

近代日本における動物と人間との関係

6

6

19

第4問

日本とオリンピックとのかかわり

8

8

24

第5問

大正期以降の日本における人々の労働

8

8

25

2015

第1問

日本の産業革命に関する調査報告

3

3

8

第2問

幕末維新期の政治・社会

6

6

18

第3問

明治期の立法機関

4

4

12

第4問

近代の人口調査

5

5

15

第5問

林芙美子とその時代

8

8

23

第6問

第一次世界大戦期から高度経済成長期にかけての日本の商社

8

8

24

過去の平均点の推移

2017 2016 2015 2014 2013
37.47点 40.81点 45.64点 47.70点 41.64点

設問別分析

第1問 紙幣に描かれた肖像・経済政策(会話文)

第1問はこれまでの形式が踏襲され、会話文形式で出題された。2017年度は『妖怪ウォッチ』などのキャラクターが出題され話題となったが、今年度は典型的なテーマ設定に戻ったといえる。

問1 近代医学の土台を築いた人物や近代文学に関する空欄補充問題。昨年度同様に近代医学に関する人物の事績を問う出題がみられたことから、十分に対策はとれていたであろう。なお、選択肢中にみえる「北里柴三郎」から細菌学を学んだ「志賀潔」が第2問の問3で出題されていた。

問3 近代教育史をテーマとした問題。就学率に関する内容は、その時期に関して理解しておく必要があり、差がつく問題だったと思われる。

問6 史料の読解力を試す問題。昨年度は1設問に2つの史料が掲載されたが、今年度は1つであり短文であった。「預貯金…封鎖」などの語句から戦後の金融緊急措置令を想起したい。


第2問 幕末から明治維新にかけての軍制改革と西洋医学

日本史B(第5問)との共通問題。
かつては、2013年度の「明治期の特許制度」・2014年度の「明治期の租税制度」のように、テーマ的に難易度の高いものが目立ったが、2015年度の「明治期の立法機関」、2016年度の「明治期の地方制度」、2017年度の「幕末から明治期の大坂(大阪)」に続き、比較的取り組みやすいテーマ(「軍制改革と西洋医学」)が取り上げられた。

第5問では、かつてグラフ・表を用いた設問がみられたが、昨年に続き史料や図版を用いた問題が1問も出題されなかった。また、問題文も簡潔で読みやすいため、設問数が少ない第5問は、取り組みやすくなっている。

問3 センター試験の年代整序問題は、詳細な年代を問うものはほとんどみられず、本問も論理的に考えれば正答を導ける設問となっている。江戸後期に西洋医学が日本に紹介され、やがて外国人から医学の知識・技術を吸収するようになり、日本の医学者による世界的業績がみられるようになった、と段階的に理解できれば解けただろう。


第3問 近世後期から近代の言論活動と表現活動

第3問は言論活動・表現活動をテーマに江戸時代後期から1970年代までの政治・外交・経済・文化と多岐に及ぶ内容であった。また、全体的に選択肢が短文であることから時間をかけてじっくり考える余裕のある問題だった。

問2 尾崎行雄の行動に関する年代整序問題。明治・大正・昭和戦前期にかけての俯瞰的な視野が求められていた。「翼賛選挙」が太平洋戦争中の出来事であることを理解していれば正答できただろう。

問6 1950年代の日本社会に関する問題。選択肢文中には「鉄腕アトム」や「日本万国博覧会」など、高度経済成長期の戦後文化や社会に関するものもみられ、網羅的な学習の重要性を改めて感じさせる問題だった。
 

第4問 石橋湛山

日本史B(第6問)との共通問題。
2014年度では「漫画家手塚治虫」、2015年度では「作家林芙美子」というように、人物を取りあげた問題が定番となっていたが、2016年度では「オリンピック」、2017年度では「近現代の公園」がテーマとされた。今年度は人物を対象とするパターンが復活したが、首相にもなり、日本史Bの教科書に掲載されている石橋湛山が取り上げられた。昨年度は表の数値を判断する設問が出題されたが、今年度は比較的読みやすい史料を用いた設問がみられたのみであったため、比較的時間に余裕をもった受験生が多かったと思われる。

問2 新婦人協会の語句を問う本問は、形式面でも第3回センター試験本番レベル模試で出題した設問と一致していたため、受験した人は有利だったと思われる。

問5 戦中・戦後の文化は盲点となりがちである。しかし、戦後の法隆寺焼損と文化財保護法の制定とを関連づけるなど、考えて記憶する学習を進めていた受験生であれば、誤文を判断するのは難しくなかっただろう。また、文化財保護法は2012年度第1問、2010年度第6問の設問文、さらに2007年度第1問の問題文でも取り上げられており、過去問演習を徹底していたならば易しい問題だと感じたはずである。

問6 軍部大臣現役武官制を取り上げた問題。こうした問題に対応するためには、「同時期に何があったか」というようなヨコの視点だけではなく、「軍部大臣現役武官制がどのように展開したのか」といったテーマ史的なタテの視点で歴史をとらえておく必要があった。

問7 昨年は第5問で大久保利通を対象として設問が出題されたが、本問では吉田茂に関する説明文の正誤判断が求められている。著名な政治家については、情報を整理しておきたい。


第5問 近現代の日本の流通業

日本史Aは昨年度同様、第5問が最終問題であり、設問数も8問と変更はなかった。
第5問は近現代日本の流通業を主題に、社会経済史を中心とした問題であった。第5問では数値をグラフ化した問題が過去3年連続でみられたが、今年度はグラフではなく「世帯消費支出額に占める購入先別の構成比」に関する表が出題されていた。また、2年後にむかえるオリンピックを意識してか、近現代のスポーツの歴史も出題された。

問5 憲法に関する問題。大日本帝国憲法と日本国憲法の比較を意識したものといえよう。両憲法の制定過程や内容が理解できていれば容易に解答できる問題だった。

問7 中曽根康弘内閣の事績に関する問題。中曽根内閣の行財政改革を取り上げた問題だった。

問8 近現代のスポーツや運動をテーマとした問題で、2020年開催のオリンピックや、2018年に選手権大会が100回目の節目を迎える高校野球を意識した出題であったと思われる。オリンピックに関連する問題としては、2016年度第4問にも出題テーマとして取り上げられている。社会的関心を常に持つようにしたい。
  

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